内容説明
本書は「坐ったり腰かけたり」という起居様式から、大正、昭和、平成へと大きく変化してきた日本人の住生活史を描いた労作である。それは単に、畳と板張り、座ぶとん・こたつと椅子・テーブルの「和洋二重生活」から「和洋混合生活」への流れをたどるだけの作業ではない。衣食住の洋風化から再びユカでくつろぐといった回帰現象のうちに、日本人が求めつづけてきた身体的精神的モメントまでを探り出すにいたる。
目次
第1章 イス式生活を理想に掲げて―大正時代の啓蒙
第2章 「ユカ坐容認」への軌跡―昭和初期の変転
第3章 再び、イス式生活の模索―戦後復興の中で
第4章 豊かさを求めて「イス坐指向」―高度成長期の足跡
第5章 くつろぎを求めて「ユカ坐」回帰―低成長期の展開
第6章 海外におけるイス式生活―住文化の相違
第7章 日本住宅のインテリア史―和洋混交の軌跡