内容説明
編集者として多くの建築と接してきた著者が絵本、物語、映像、写真、漫画など少年時代から親しんできた本やさまざまな人との出会をとおして育んだ自らの偏愛する空間の記憶を綴る。リアリティを余儀なくされた建築と虚構のうちに輝く楽園の夢が交錯して生み出される住まいのすがた。
目次
「レベル3」探し―ジャック・フィニィ
時間の螺旋形と直線―ヴァージニア・リー・バートン
もう1軒の「ちいさいおうち」―イエルク・ミュラー
「ピーター・ラビット」圏のコミュニティとプライヴァシィ―ビアトリクス・ポター
境界へ―マリー・ポール・エッツ
いばらの垣がしげりはじめました
世界VS地図―フランク・ボームとアーサー・ランサムまで
「聖なる山」 への導き―ルネ・ドーマルとアレハンドロ・ホドロフスキー
庭または時間―フィリバ・ピアスからルウシィ・モウド・モンゴメリまで
ラスベガスの発見まで―ロバート・ウェンチューリの『ラスベガス』について
充填と空隙―ウィンザー・マッケイ
摩天楼の肖像写真―ラインハルト・ヴォルフ
ディズニーの「オズ」を通して、ボームの「オズ」を読む
『アンアン』の彼方の向島―堀内誠一
漫画の1930年代 建築の1930年代―大城のぼると土浦亀城
最小限住居のかたち―佐藤さとると立原道造
いまさら、『綴方教室』への註―豊田正子
傷を負わせた男―重山規子
ミニアチュールの思想―城昌幸・ほか
分譲地のなかの田園―鯨井勇
住まいをゆき交うインスタレーション―イングリット・ボイザー
仮面と生―奈良原一高
真夜中の家―井上直久と岡田初彦〔ほか〕