出版社内容情報
ギリシア神話の九人のミューズ。それに続く十人目の詩神こそが「批評」。
「批評」と「生きること」の関係を再定義・再構築する試み。
デヴィッド・グレーバー/『鬼滅の刃』/小沢健二/『ゲーム・オブ・スローンズ』/ユク・ホイ/ブレイディみかこ/『ウォッチメン』/加藤周一/ボルタンスキー兄弟……アナキズムからケア、エンパシーまで、多彩な作家・作品世界を題材に、気鋭の批評家が描く「批評」の未来!
「批判または批評は、現在の生を押しつぶすのではなく、それが現に持っている力を正当に認めるとともにいっそう活性化させる方法」
思想、哲学、文学からドラマ、アニメまで、幅広いフィールドで言論活動を続けてきた著者の、初の本格評論集。デヴィッド・グレーバーの翻訳・紹介者として、加藤周一の研究者として、そしてポピュラーカルチャーの良き享受者としての活動の集大成にして、「批評と生きること」を再定義する野心的な試み。
"批評と生きること。本書を構成する、分量も分野もまちまちな多様な文章をまとめる作業のなかで、わたしは「批評」あるいは「批判」という行為そのものを主題化し、それと「生きること」――わたしたちがこの世界のなかで生を受け、生を保ち、さらには生きるに値する充実した経験を享受することといったすべての意味において――との関係をめぐる諸問題を、書物全体を緩やかに一貫する問いかけとして提示しようと考えました。"(「序に代えて」より)
内容説明
思想、哲学、文学からドラマ、アニメまで、幅広いフィールドで言論活動を続けてきた著者の、初の本格評論集。デヴィッド・グレーバーの翻訳・紹介者として、社会思想、フランス文学の研究者として、そしてポピュラーカルチャーの良き享受者としての活動の集大成にして、「批評と生きること」を再定義する野心的な試み。
目次
第1部 デヴィッド・グレーバーを読む(未来を開く―デヴィッド・グレーバーを読む;「魔神は瓶に戻せない」―デヴィッド・グレーバー、コロナ禍を語る ほか)
第2部 作品とともに生きるための批評(「惑星的ミサ」のあとで―『ゲーム・オブ・スローンズ』覚え書き;多様性と階級をめぐる二重の困難―HBO版『ウォッチメン』とそのコンテクスト ほか)
第3部 批評/批判と社会的なもの(中絶合法化と新しい優生学―取り替え可能性と単独性のあいだの胎児と人間/リュック・ボルタンスキー『胎児の条件』;批判の運命と新たな労働編成―ボルタンスキー&シャペロ『資本主義の新たな精神』とその周辺 ほか)
第4部 日本とアジアをめぐる問い(緊縮の中枢からガラパゴスへの旅―ブレイディみかこ『THIS IS JAPAN』;加藤周一と三島由紀夫;アジアの複数性をめぐる問い―加藤周一、ホー・ツーニェン、ユク・ホイの仕事をめぐって)
第5部 歴史のなかの生(蜘蛛の策略の世紀は今なお続いているのだろうか―ベルナルド・ベルトルッチ監督『暗殺のオペラ』再上映に寄せて;「世の中の裂け目」はいつだって開く―小沢健二が帰ってきた;人生の時間とその後―展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」に寄せて)
著者等紹介
片岡大右[カタオカダイスケ]
1974年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。批評家。専門は社会思想史・フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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