自殺帳

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自殺帳

  • 春日 武彦【著】
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  • 晶文社(2023/10発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794973863
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

人はなぜ自殺するのか? 人はなぜ自殺しないのか?
そのあわいをみつめつづけてきた精神科医、春日武彦による
不穏で不謹慎な自殺論考。

自殺は私たちに特別な感情をいだかせる。もちろん、近親者が死を選んだならば、なぜ止められなかったのかと、深い後悔に苛まれ、悲しむことだろう。だが一方、どこかで覗き見的な欲求があることも否定できない。「自殺はよろしくない」「でも自殺せざるを得なかった人の辛さに思い巡らせるのも大切」「あなたの命は決してあなただけのものではない」など、さまざまな意見を持つ人に読んでもらいたい、自殺についての深掘りエッセイ。自殺されたクライアントとの体験や、さまざまな文学作品、遺書、新聞報道記事などを下敷きにした、自らも自殺に近い位置にいる精神科医による、自殺をめぐる集大成。

「強引に言い切ってしまうなら、人間そのものに対する「分からなさ」が身も蓋もない突飛な形で現出しているのがすなわち自殺ということになろう。その突飛さを前にして、動揺した我々は、(情けないことに)つい「ゲスの勘ぐり」やら下品な好奇心至上主義を全開にせねばいられなくことが稀ではない。悼んだり悲しむと同時に、無意識のうちにそんな方向に走ってしまう。だから「その不可解さがもはや珍味と化している事案」と表現してみても、あながち的外れではあるまい。
そんな次第で自殺に関して思うこと、感じること、精神科医としての意見、文学的関心などをだらだらと書き連ねていきたい。もっとも、それが正鵠を射た内容であるのか否かは、自殺を遂げた当人ですらはっきりとはしないであろうけれど。」
(「はじめに」別バージョンより)

内容説明

本書は、精神科医・春日武彦氏によるきわめて「不謹慎」な自殺の論考である。いまでも自殺者のことを気に病み、逃亡する気分に支配され、遺書を娯楽、ポルノグラフィーに近いものとし、天啓としての自殺親和型を自ら認識する。「火口内の狂人」に陥ることも自覚し、自殺者との間に隔たりはないことを静かに戦慄する―。自殺する側としない側の彼岸、鈍色の光芒と漆黒の陰のあわいを、弄ばれながらも自在に行き来する著者の姿に、私たちは翻弄されることとなる。まったくキュートでグロテスクな自殺曼荼羅が、浮かび上がる。

目次

第1章 胃の粘膜
第2章 石〓体験
第3章 登場人物を自殺させる
第4章 遺書のリアル
第5章 自殺の七つの型―1 美学・哲学に殉じた自殺
第6章 自殺の七つの型―2 虚無の果てに生ずる自殺
第7章 自殺の七つの型―3 気の迷いや衝動としての自殺
第8章 自殺の七つの型―4 懊悩の究極としての自殺
第9章 自殺の七つの型―5 命と引き換えのメッセージとしての自殺
第10章 自殺の七つの型―6 完璧な逃亡としての自殺
第11章 自殺の七つの型―7 精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺
第12章 漆黒のコアラ

著者等紹介

春日武彦[カスガタケヒコ]
1951(昭和26)年、京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医として6年勤務した後、精神科医に転進。都立精神保健福祉センターを経て、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長、多摩中央病院院長、成仁病院院長などを歴任。現在も臨床に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

108
長年精神科臨床に関わってきた名医ですら、自殺の兆候は掴めないものなのだ。もしかしたら自殺をする本人にすら、なぜ自殺したのかわからないのかもしれない。精神科の医師の記録、文学作品、新聞記事や週刊誌の記事、自殺者の日記、遺書など、あらゆる文書を元に、七つの型に分類して解読しようとする。これを読むと、自殺のテンプレートが存在し、いつの間にかそれにハマってしまう人が確実に存在し、それに気付いた人がそこから逃れるのだろう。何らかの原因で精神的視野狭窄状態で解離状態にある場合、自殺という行為に陥ってしまうのである。2023/12/25

ころこ

49
本書は死者と生者の淡いに書かれている。しかしその場合、生者の側に立ち、死者を道徳的に問い詰めるか、死者の側に立ち、死者に同情を寄せるかだ。本書はそのどちらでもない。客観視した死者への冷淡さなのか、複数性が生と死の両方を等価に考えているのか、達観したような書きぶりだ。精神科医として遭遇した患者の実例(特定できないようにしているだろうが)が滓のように残る。他方で要らぬ饒舌さもある。倫理的に自殺を考えたい読者にとっては最も遠い本だ。第10章で「蒸発」を考察にするため今村昇平『人間蒸発』が紹介される。このドキュメ2024/01/05

こばまり

47
つい不謹慎な感じに面白がってしまうが、著者自身が関わった症例も多く、主治医として悔悟の念もあるだろうし、読む方もいつ何時あちら側へ連れていかれるやも知れぬとの思いがして、ヒヤリとする一冊だ。相変わらず様々な文芸作品が引用されており読書ガイドにもなる。2024/07/22

踊る猫

43
薄口であっさりした風味の中に、春日武彦という書き手が読者として(あるいは診療の場・実地で)体得してきた経験知が込められており決してナメてかかることのできない、「じわじわ来る」本のように思う。ぼく自身生きにくい思いをしているので自殺と親和性の高い思考・妄想を練ってしまう。その意味でこの本を読み「ぼくだけじゃないみたいだ」「ぼくもマヌケだな」とあらためて自分を笑う客観視・客体化を施してもらったようにも思われた。自死を語りつつ、その死を美学にしないで実相を恐れずに、しかし除き趣味にもならず愚直に見据えて書き記す2024/01/28

GAKU

40
精神科医春日武彦氏による自身の経験も交えての考察というか、エッセイというか自殺に関して書かれた1冊。どの章も興味深く読ませていただきましたが、私自身は著者の経験談の第1章「胃の粘膜」が何と言っても強烈でした。ある意味下手なホラー小説よりも、よほど気味が悪かったです。2024/07/23

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