内容説明
般若経、法華経と並ぶ仏教の代表的な経典のひとつ、維摩経。スーパー在家者「維摩さま」と文殊菩薩との対話から、空とは?解脱とは?さとりとは?など、仏教のおしえの根幹が見えてくる。「生きづらさを抱えて生きていくにはどうしたらいいんだろう?」心の悩みをいだく人たちに向けて、維摩経の物語世界をマンガ化。釈徹宗先生の解説付き。
目次
おだやかに生きられるには
維摩さま登場
お見舞い誰が行く?
もしかして誰も行ってくれないの?
病気のお見舞い
座るところ
そのままをうけいれる
さとりって何?
グレーが基本
香りのよい国
食べ物のゆくえ
正体
供養すること
人に託す
おわりに
著者等紹介
細川貂々[ホソカワテンテン]
1969年生まれ。漫画家・イラストレーター。セツ・モードセミナー出身
釈徹宗[シャクテッシュウ]
1961年生まれ。浄土真宗本願寺派・如来寺住職。相愛大学教授。専門は宗教思想。『落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する』(朝日選書)で第5回河合隼雄学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れい
11
【図書館】てんてんさんの本は色々読んできたけど、発達障害のグレーゾーンだと言うことが、本当にさらりと書かれていました。びっくりはしないけど、ここで?と。さて、内容ですが、維摩さまが言われているように、この煩悩の多い日常のなかで己を中道に保ち生きていくこと、それも修行の道なのかも。皆が出家を望んだら社会は成り立たなくなってしまう。人との関わりを嫌だなと思っても、ゆるゆる繋がる。高位の仏教者を言い負かす面が強調されているように感じるけど、結局極端に陥らないための、あえての逆説ロジックな印象を持ちました。2022/07/11
usako♪
10
優しくユーモアに描かれた仏教の世界。維摩経というのも初めてしりました。 第三の目で自分を見つめる方法に「架空ドローンを飛ばす」。なるほど!、すぐに実践できるなぁ、と思いつつ、自分を見つめるより、山の方に飛んでっちゃうなぁなんて思いつつ楽しみました。六波羅蜜寺の空也が東京でみれるので行こうかな。2022/03/27
大粒まろん
9
時折読んでは、毎回違うところにハッとしている。仏教を知るには唯摩経はとても良い入り口だと思う。そしてこの本は入り口の入り口。読み物としても唯摩経は、とても面白く優しい。
ひめぴょん
9
マンガという形をとっていますが、奥深い解釈がそこにあります。以下は文中引用とミニ感想です。 「苦悩をどのように取り除けばいいか」に対しては、「自分のできることを他人とわかちあうこと」。 「喜びは何にあるか」に対しては、「時間をムダにしていると思わないこと」。 供養とは自分の出来ることをして他の人を喜ばせようとすること。 自分というものにしがみついてはいけない(無我)。私たちの身体は要素が集合したものに過ぎず、しかもすべては刻々に変化し続けている。→この考え方は新鮮でした。 2022/05/22
telephone
5
苦悩の世俗の中で、社会や他者と関わりながら生きることが仏道を求める者のほんとうの姿。2024/11/30