出版社内容情報
書物を渉猟し日々考えぬいた、老書生にして思想家の珠玉のことば。「文明は持ち重りするものだが、担い通していかなければならぬ」原発に象徴されるのは現代の科学物質文明で、ジャングルに象徴されるのは物質文明に侵されていない民の生活。ジャングルの民は豊かではないが、共同体の信頼のもと朗らかに暮らしている。文明か未開か、進歩か後退か、という二元論ではなくて、便利さや科学の進歩を肯定しながら、真の仲間を作ることが可能か。
近代の意味を様々な角度から考えてきた著者が、エヴェレット『ピダハン』、カルロ・レーヴィ『キリストはエボリに止まりぬ』、ハンナ・アーレント『人間の条件』など、さまざまな書物をひもときながら、近代の普遍的な問題を問う。
1
ジャングルと原発
原初的正義と国家
労働と交わり
荒野に泉湧く
私には友がいた!
虚無と向きあう
人情と覚悟
滅びぬ寺の姿
2
山脈の記憶
私の夢地図
私は何になりたかったか
未来が過去を変える
3
多重空間を生きる
『現実宿り』評釈
『現車』はどこが凄いか
創見と探索の書
草莽の哀れ
問題の「はかなさ」を知る人
橋川文三さんの思い出
あとがき
渡辺京二[ワタナベキョウジ]
著・文・その他
内容説明
進歩か縮小かではなく、主体的、共感的な文明の途とは?様々な書物を渉猟し、日々考えぬいた、老書生にして思想家の珠玉のことば。本を大量に抱え迎えた熊本地震。「文明は持ち重りするものだが、担い通していかなければならぬ。」
目次
1(ジャングルと原発;原初的正義と国家;労働と交わり ほか)
2(山脈の記憶;私の夢地図;私は何になりたかったか ほか)
3(多重空間を生きる―坂口恭平『幻年時代』;『現実宿り』評釈;『現車』はどこが凄いか ほか)
著者等紹介
渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所主任研究員。著書に『北一輝』(ちくま学芸文庫、毎日出版文化賞受賞)、『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー、和辻哲郎文化賞受賞)、『黒船前夜』(洋泉社、大佛次郎賞受賞)など多数がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
Tsubasa Kato
きらら虫