内容説明
大正・昭和の書物文化興隆期に、奇抜な造本で書物愛好家たち垂涎の書籍を作り上げたことで知られている書物展望社。その社主であり、自らも編集者・書誌学者・蔵票研究家・民俗学者・俳人・郷土史家と多彩な顔を持っていた斎藤昌三(一八八七‐一九六一)の足跡を丹念に調べ直し、その人物像と同時代の作家・学者・画家・趣味人たちとの交友とを鮮やかに描き出した画期的な労作。今では貴重な傑作装幀本の数々をカラー頁を設けて紹介。詳細な年譜・著作目録も付す。
目次
座間に生まれる
『おいら』・我楽他宗・蔵票会
性神探訪と坪井正五郎の見えない糸
桃太郎の話 斎藤昌三
いもづる仲間と「芋蔓草紙」
『愛書趣味』と花園歌子の謎
梅原北明のエロ・グロ出版
内田魯庵所蔵の芭蕉像
吉野作造の明治文化研究会への参加
書物展望社での苦楽の日々
ゲテ装本・書物展望社本・小雨荘の本
円本ブームと斎藤茂吉
『〓東綺譚』をめぐる荷風との対立
茅ヶ崎の郷土史家
『書痴往来』と書痴の晩年
著者等紹介
川村伸秀[カワムラノブヒデ]
1953年東京生まれ。文筆家・編集者。著書に『坪井正五郎 日本で最初の人類学者』(弘文堂)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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