出版社内容情報
若き憲法学者がその専門知をもとに、安倍政権が進めようとしている安保法制、集団的自衛権行使に対して行う根源的な批判の書。
明らかに憲法違反であるにもかかわらず、強引な手法で安全保障法案が国会を通過しようとしている。政権が暴走し、合理的な議論が困難になっているいまこそ、憲法の原則論が重要となる。80年代生まれの若き憲法学者がその専門知をもとに、安倍政権が進めようとしている安保法制、集団的自衛権行使に対して行う根源的な批判の書。哲学者・國分功一郎氏との対話「哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義」も収録。暴走する政権に対しては、武器としての憲法学を。
■I 集団的自衛権はなぜ違憲なのか
なぜ憲法学は集団的自衛権違憲説で一致するのか?
三つの観点から考える「日本国憲法とは何か?」
私を解放してくれた「日本国憲法」
■II 憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう
安保法制懇の無責任な報告書は訴訟リスクの塊である
政府の憲法解釈を立憲主義の原則から検証する
集団的自衛権に関する7・1閣議決定とは何だったのか?
憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう
解散・総選挙は憲法のルールを遵守しているか?
文言の精緻な分析から見えてくる安全保障法制の問題点
「ムベンベ」から憲法へつなぐセンスオブワンダー読書案内
■III 哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──國分功一郎×木村草太
哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──哲学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──憲法学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──対話篇
■付録 衆院特別委員会中央公聴会 公述
軍事権を日本国政府に付与するか否かは、国民が憲法を通じて決める
【著者紹介】
1980年神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業、同助手を経て、現在、首都大学東京法学系准教授。専攻は憲法学。著書に『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』(羽鳥書店)、『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『未完の憲法』(奥平康弘との共著、潮出版社)、『憲法学再入門』(西村裕一との共著、有斐閣)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『憲法の条件』(大澤真幸との共著、NHK出版新書)などがある。