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社会主義―その成長と帰結

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794967756
  • NDC分類 309
  • Cコード C0036

出版社内容情報

アーツ&クラフツ運動の主導者が、古代の共同体社会まで遡って実証する、マルクス=レーニン主義の系譜と異なるもうひとつの社会主義

アーツ&クラフツ運動の主導者として知られるウィリアム・モリスは19世紀末、社会主義運動に精力を注ぐ。〈社会主義同盟〉を結成し、機関紙「コモンウィール」を創刊、学識に富む若き同志E・B・バックスとの共同執筆のかたちで「社会主義─その根源から」という長期連載をはじめる。そこでは「世直し」の思想を根源にまでさかのぼり、オウエンやフーリエなどの思想や運動を点検し、「科学的社会主義」としてマルクスの『資本論』を紹介……そのうえで独自の共同体社会主義のヴィジョンを提起した。マルクス=レーニン主義の系譜とは異なるもうひとつの「社会主義」の誕生である。

まえがき
序論
第一章 古代社会
第二章 歴史上の最初の社会、あるいは古代社会
第三章 古典古代から中世期への移行
第四章 中世社会─その初期
第五章 中世の粗野な面
第六章 中世の終わり
第七章 ルネサンスと宗教改革
第八章 近代社会─初期段階
第九章 革命への準備─イングランド
第十章 革命への準備─フランス
第十一章 フランス革命─立憲段階
第十二章 フランス革命─プロレタリア段階
第十三章 イングランドにおける産業革命
第十四章 イングランドにおける政治運動
第十五章 大陸における反動と革命
第十六章 〈パリ・コミューン〉(一八七一年)とその後の大陸の運動
第十七章 〈ユートピスト〉たち─オウエン、サン・シモン、フーリエ
第十八章 〈ユートピスト〉から近代社会主義への移行
第十九章 科学的〈社会主義〉─カール・マルクス
第二十章 たたかう〈社会主義〉
第二十一章 勝ちとられた〈社会主義〉
〈補章〉「都市」についての覚書

付論1 『社会主義』の初出「論文」と『著書』をめぐって(大内秀明)
付論2 「奇妙な二人組」─モリスとバックスの協働作業(川端康雄)
解題 モリス=バックスの社会主義思想と日本(大内秀明)

【著者紹介】
1834─1896年。イギリス・ヴィクトリア朝の詩人。装飾芸術家。社会主義運動家。民衆文化に基本をおいた、総合芸術としての装飾という考えをつらぬき、その実践を一つの運動として展開した。壁紙や織物のデザイナーとして、理想の書物を追求したケルムスコット・プレスの創設者として、また『ユートピアだより』の著者として広く知られる。

内容説明

労働するものが、みずからの労働とその産物への管理権をもつ社会へ―アーツ&クラフツ運動の主導者が、古代の共同体社会までさかのぼり実証する、マルクス=レーニン主義の系譜と異なるもうひとつのソーシャリズム。

目次

古代社会
歴史上の最初の社会、あるいは古代社会
古典古代から中世期への移行
中世社会―その初期
中世の粗野な面
中世の終わり
ルネサンスと宗教改革
近代社会―初期段階
革命への準備―イングランド
革命への準備―フランス〔ほか〕

著者等紹介

モリス,ウィリアム[モリス,ウィリアム] [Morris,William]
1834‐1896年。イギリス・ヴィクトリア朝の詩人。装飾芸術家。社会主義運動家。民衆文化に基本をおいた、総合芸術としての装飾という考えをつらぬき、その実践を一つの運動として展開した。壁紙や織物のデザイナーとして、理想の書物を追求したケルムスコット・プレスの創設者として、また『ユートピアだより』の著者として広く知られる

バックス,E.B.[バックス,E.B.] [Bax,E.Belfort]
1854‐1926年。英国の社会主義者。マルクス主義思想を英国にいち早く紹介。“社会主義同盟”の創立メンバーのひとり

大内秀明[オオウチヒデアキ]
1932年東京生まれ。マルクス経済学者。東北大学名誉教授

川端康雄[カワバタヤスオ]
1955年横浜生まれ。日本女子大学教授。英文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

35
1893年初出。将来の社会生活への希望は、過去の闘争と関係がある(26頁)。要約すると、自治体はマルクすなわち部族の土地保有体から直接継承されたものであった。職人(クラフト)ギルドが力を増していって<商人ギルド>の影が薄くなると、職人ギルドが貴族層の政治に取って変わる傾向がよく見られた(60頁)。中世は、本質的に<ポピュラー(傍点)・アート>の時代、民衆の時代だったのである(67頁)。<文明>の<社会主義>への変容(142頁)。2017/10/10

スターライト

5
『世界のはての泉』『ユートピアだより』で知られるウィリアム・モリスが、盟友バックスとの共作で著した社会主義についての書。古代社会から近代までの社会を独自の世界観でたどり、そして共同体社会主義のヴィジョンを呈示している。マルクスやエンゲルスの影響を受けながらも、彼らとはまた違った道を歩む二人の姿は興味深い。正直、共同体社会主義のイメージが今一つつかみにくく、結局一部の人々が権力を握るのではないかとの疑問が消えなかった。ともあれ、19世紀末のイギリスでこうした書物が出ていたことには注目したい。2015/04/15

むっち

4
マルクスの同時代の社会主義者というのはマルクスから見たら批判される対象ばかりというのが印象だったが、マルクスの友人でもあるモリスの本はそもそも日本では、そもそもあまり出版されていないんですね。マルクスと言えばエンゲルスという具合に社会主義の本を読んだ経験しかないからちょっと新鮮。はっきり言って、この時代の方が20世紀の冷戦の時代より、まだ社会主義の未来は鮮明でなく、むしろ21世紀の今のほうが19世紀の社会主義を主張する意識や感覚は似ているのかもしれないなあという感想を持った。新しく目からうろこというのは感2015/05/18

Soma Oishi

1
柄谷行人さんの書評から読んでみました。 ウィリアム・モリスとE・B・バックスの共著でモリスさんはアーツアンドクラフト運動で有名な方だそうです。そしてそこに社会主義というものがあるのだということの証明の本であります。 モリスさんの社会主義というものはとてもいいものだと思いました。 人間の認識とは何かを説くこと、認識とは学問であります。認識とは人間が反省し都合の悪いこと嫌なことわからないことなどを全てを認識し比較吟味することで生まれる認識だと思います。それは反省による覚醒という認識です。そういう険2015/03/03

suzunone2012

1
もう一つの「社会主義」について。マルクスと近しい人物でもあった、モリスが考えていた社会主義がどのようなものだったのか。2014/12/27

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