来たるべき哲学のプログラム (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794967732
  • NDC分類 944
  • Cコード C0010

出版社内容情報

変奏されつつ深化してゆく若きベンヤミンの思考の軌跡。
言語・認識・歴史に対する基本的な考え方が芽生える最初期遺稿群。

ベンヤミンがフライブルク大学に入学したのは20歳のとき。その後、スイスのベルン大学で博士号を取得(27歳)するが、最終的に、教授資格申請論文「ドイツ悲劇の根源」がフランクフルト大学で拒否され、32歳でアカデミズムへの道が閉ざされてしまう。
この時期のベンヤミンの論考には、のちの漂浪と亡命の時期のものに比べ、絶対的なものをつかみとろうとする観念論的・形而上学的な傾向がひときわ目立っている。
近代の歴史主義を根底的に批判し、「歴史」における多層な経験の想起を促し、「言語」に経験の重みを奪回させ、ひいては「認識」に形而上学的深みを回復させる??若きベンヤミンの思考を集成した必読の書。

〈?T〉
若さの形而上学
ヘルダーリンの二つの詩
来たるべき哲学のプログラム
歴史劇の問題
〈?U〉
経験と認識
事象の科学的記述について
無限の課題(1)
無限の課題(2)
知覚の問題について
志向の諸段階
知の種類
個別科学と哲学
真理と諸真理 認識と諸認識
認識理論
認識におけるジンポールの使用
フンボルト
言語と論理学
言語・名・記号(1)
言語・名・記号(2)
言葉の骸骨(1)
言葉の骸骨(2)
謎かけと秘密
類比性と親縁性
類似したものについての試論
悲劇とギリシャ悲劇における言語の意味
悲劇とギリシャ悲劇
『オイディプス』あるいは理性の神話
ソクラテス
古代の人間の幸福
中世について
道徳世界における時間の意味
後期ロマン派・歴史学派の歴史哲学
歴史の種類
神と歴史
宗教としての資本主義
神学的・政治的断章
アゲシラウス・サンタンデル
〈訳者解説〉

【著者紹介】
20世紀ドイツを代表する巨大な思想家。1892年ベルリンのユダヤ人の富豪の家に生まれる。ベルリン大学およびミュンヒェン大学で哲学を専攻、友人G・ショーレムらと交流。1925年フランクフルト大学に提出した教授資格論文が拒否され、以後アカデミーにおける研究活動の道が閉ざされる。その後フランクフルト新聞や「文学世界」誌を中心に評論などを書くかたわら、ボードレール、プルーストなどの翻訳も手がける。Th・W・アドルノ、B・ブレヒトらと親交を結ぶ。33年、ヒトラー政権樹立とともにパリに亡命。35年、「フランクフルト社会科学研究所」の所員となり、ドイツ軍パリ進駐まで、パリ国立図書館を根城としてパリのパサージュにまつわる資本主義揺籃期の研究を行う。40年、パリ陥落のため亡命者の一群に加わってスペインに向う途中、服毒自殺。「複製技術時代の芸術作品」「パサージュ論」「歴史哲学テーゼ」など、数々の鮮烈な批評は、世界の思想・芸術・文学にアクチュアルな影響をあたえつづけている。

内容説明

ベンヤミンがフライブルク大学に入学したのは20歳のとき。27歳で博士号を取得するが、最終的に教授資格申請論文をフランクフルト大学で拒否され32歳でアカデミズムへの道が閉ざされる。この時期のベンヤミンの論考には絶対的なものをつかみとろうとする観念論的・形而上学的な傾向がひときわ目立っている。「歴史」における多層な経験の想起を促し「言語」に経験の重みを奪回させ「認識」に形而上学的深みを回復させる若きベンヤミンの思考を集成した必読の書。

目次

1(若さの形而上学;ヘルダーリンの二つの詩;来たるべき哲学のプログラム;歴史劇の問題)
2(経験と認識;事象の科学的記述について;無限の課題;知覚の問題について;志向の諸段階 ほか)

著者等紹介

ベンヤミン,ヴァルター[ベンヤミン,ヴァルター][Benjamin,Walter]
1892‐1940。20世紀ドイツを代表する巨大な思想家。1892年、ベルリンのユダヤ人の富豪の家に生まれる。ベルリン大学およびミュンヒェン大学で哲学を専攻、友人G・ショーレムらと交流。1925年、フランクフルト大学に提出した教授資格論文が拒否され、以後アカデミーにおける研究活動の道が閉ざされる。その後フランクフルト新聞や「文学世界」誌を中心に評論などを書くかたわら、ボードレール、プルーストなどの翻訳も手がける

道籏泰三[ミチハタタイゾウ]
1949年、大阪生まれ。京都大学文学部独文科卒業。現在京都大学人間・環境学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ばん

7
ベンヤミンの初期論考。ドイツロマン派を起点にした彼の思想は、「若さ」というものを探究しながら、同時にそれをトランポリンとして、思想的跳躍を図る。カント・ヘーゲルと続くと言われる、観念論も、彼によって形而上学的問題を提起され、弁証法が「四つ」引き出すことも、彼は論理的に導き出すが、よくよく読めば「ファウスト」に書いてある通りで、ゲーテの研究者である彼の思想基盤は、やはり独逸の文学にあるんだと確認できた。ベンヤミンを今後読んでいくものとして、貴重な一冊を読んだ気がする。2012/12/29

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