内容説明
1933年1月、ヒトラーが政権を掌握すると、ドイツの未来は大きく揺れた。邪魔者は次々と粛清されていく。その渦中にあって、恐れもせず、独裁政権を拒否する陸軍最高司令官がいた。利口だけど怠け者という評判で、暇をみつけては大好きな狩りに明け暮れている。ソ連とのつながりを疑われながらも、なぜ彼だけが粛清をまぬがれ、生き残ることができたのか。「現代ドイツの知性」エンツェンスベルガーが、三年におよぶ綿密な取材と調査をへて、交錯する政治的策謀をひもとく。時空を超えた「死者とのおしゃべり」を交え、ヒトラー政権前夜から冷戦の終わりまで、ドイツのひとつの物語を浮かびあがらせる。
目次
重い一日
陸軍幼年学校生の模範的なキャリア
旧家の一族、身分相応のコネクション
不気味な祖父
いくつかのエピソード
死者とのおしゃべり―クルト・フォン・ハマーシュタイン(1)
コメントその1 ワイマール共和国の恐怖
死者とのおしゃべり―クルト・フォン・シュライヒャー
コメントその2 もつれ合う権謀術数
困難な時代〔ほか〕
著者等紹介
エンツェンスベルガー,ハンス・マグヌス[エンツェンスベルガー,ハンスマグヌス][Enzensberger,Hans Magnus]
1929年生まれ。戦後ドイツを代表する詩人・作家・批評家。つねに時代への鋭い提言にみちた文筆活動を展開
丘沢静也[オカザワシズヤ]
1947年生まれ。ドイツ文学者。首都大学東京教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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