出版社内容情報
スペイン内戦とは、民主主義とファシズムの戦いだったのか?その後の世界を決定づけたこの戦争は、いまなお、多くの神話につつまれている。当時の新聞記事、内部文書、関係者の証言など、膨大な量の資料を分析、隠蔽された歴史の真実を浮かびあがらせる。スペイン内戦史の決定版として高い評価を得ている大著、待望の翻訳完全版。
内容説明
スペイン内戦とは民主主義とファシズムの戦いだったのか?歴史の転回点となったこの戦争はいまだ多くの神話につつまれている。1936年、フランコ将軍の反乱勃発と時を同じくして、工場労働者や農民による大規模な革命がスペイン各地で爆発した。しかし、この革命は、ヒトラーの支援する反乱軍にたいして、英仏両国の共和派支援をひきだそうと画策するスターリンによって、徹底的に隠蔽される運命にあった。当時の新聞記事、内部文書、関係者の証言など厖大な量の資料を分析、その勃発から終結まで、かつてない深みとスケールをもってスペイン内戦の全体像を描きだす。第二次世界大戦前夜の複雑怪奇をきわめるヨーロッパ情勢を背景に、ドイツ、ソ連、イギリス、フランス、イタリアなど列強の謀略と策動を白日のもとにさらし、それらに翻弄され、歴史の闇に葬られた内戦の真実の姿を明らかにした記念碑的な著作である。
目次
第5編 共産党の勝利(共産党の社会党穏健派への接近;カタルニャ・国軍反乱と社会革命 ほか)
第6編 革命の後退(ネグリン政権と無政府主義運動の対応;PSUC、カタルニャ支配権をCNT・FAIから奪取 ほか)
第7編 ラルゴ・カバリェロとインダレシオ・プリエトの敗退(インダレシオ・プリエト、共産党と対決;共産党のCNTへの接近 ほか)
第8編 共産党勢力の絶頂期(第二次ネグリン内閣。共産党の軍支配;共産党による保安機関の支配 ほか)
第9編 不信・分裂・惨禍の拡大。共産党の党勢低下(内部対立の激化;何のために人民は戦っているのか? ほか)
第10編 抵抗政策の終わり(ネグリンの中・南部への帰還;セヒスムンド・カサド、シプリアノ・メラと無政府主義派 ほか)
著者等紹介
ボロテン,バーネット[ボロテン,バーネット][Bolloten,Burnett]
1909年、イギリス・ウェールズ生まれ。スペイン内戦当時、UP通信特派員としてスペインで報道に従事。38年にメキシコに移り、以後スペイン内戦・革命の研究に打ち込む。49年にアメリカに移り、61年『大いなる隠蔽』を刊行。62年から三年間、スタンフォード大学に招聘され、スペイン内戦・革命史の研究指導を行う。87年、カリフォルニアにて死去
渡利三郎[ワタリサブロウ]
1949年、函館生まれ。早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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