内容説明
明治開拓期の北海道。荒涼とした石狩原野をもうもうと黒煙を吐いて蒸気機関車が突っ走る(「空知川の岸辺」)。明治末年の中央線電車。満員の乗客にもまれる、白い襟首の美しい令嬢に魂を奪われた男の運命は(「少女病」)。昭和20年8月15日、敗戦の日。汽車は時刻表通りに、何事もなかったように駅に入ってきた(「米坂線109列車」)。「汽笛一声」から百三十年、平和なときにも戦争の時代にも、日本人の暮らしとともにあった鉄道を描いた名作群。
著者等紹介
小池滋[コイケシゲル]
1931年東京生まれ。東京都立大学教授、東京女子大学教授をつとめた。ディケンズ研究の第一人者にして無類の鉄道好き
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感想・レビュー
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雨宿り
3
少女病を読みたくて借りて参りましたが、きっとこの本で読まなかったら、破廉恥な部分ばかり気になってしまっただろう私。 永井荷風の深川の唄と、金子みすゞと北川冬彦の詩の、ブラックユーモアとアンニュイがスキ。2009/05/13
つれづれ
0
鉄道を扱う文学作品を収めたアンソロジー。満員列車であれこれ妄想してしまわれる方の元祖のような田山花袋「少女病」、終戦の日さえ疎開先で汽車への思いを抱えていた宮脇俊三「米坂線109列車」等が印象深い。しかし、この本を読み最も「鉄道愛」を感じるのは編者による解説であるのは疑いようがない。事情があったのか、「海外篇」が出されていないのが非常に残念。2009/01/17
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