内容説明
1942年、ドイツ占領下のウクライナ。パン工場で強制労働をさせられていた名門クラブ、ディナモ・キエフの選手とドイツ軍兵士のメンバーとのサッカー対戦が行われた。アーリア人の肉体的、精神的、優位性を信じる、ドイツにとっては、負けるはずのないチーム。ディナモの選手にとっては、勝ったら、命の保障はない。運命の日、ディナモは5‐1と大勝。三日後の再戦でも、5‐3の勝利。その後、選手たちは強制収容所へ。戦後、生きて帰ってきたものは少ない。ソ連のプロパガンダによって、全員が射殺されたと長らく信じられていた伝説の試合の真実を、丹念に検証した、歴史スポーツ・ノンフィクション。
目次
ウクライナの歴史
ウクライナ・サッカー
バルバロッサ作戦
キエフ陥落
ナチス占領下のキエフ
抑圧の日々
パン工場のサッカー・チーム
快進撃
リベンジ・マッチ
許されざる勝利
報復
死のキャンプ
英雄たちの死
「死の試合」伝説
ディナモ・キエフの復活
著者等紹介
ドゥーガン,アンディ[ドゥーガン,アンディ][Dougan,Andy]
イギリスのジャーナリスト。マーティン・スコセッシやロバート・デ・ニーロの伝記など、映画に関する著作もある
千葉茂樹[チバシゲキ]
1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業。児童書編集者を経て翻訳者として活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ウィック&ぺディ
23
第二次世界大戦下、ドイツがソ連に攻め込むために真っ先に標的にしたのが、交易の要衝でもあるウクライナ。占領によって名門サッカークラブ、ディナモ・キエフの選手たちも当然、市を離れたり、とどまって戦ったりとサッカーどころではなくなったが、ひょんなことから選手たちが結集し、枢軸国のチームらと試合をすることになる。快進撃を続け、評判になるとドイツの駐屯部隊のチームが名乗りをあげた。勝っても命があやうく、負けることもプライドが許さないその行方は?戦争の悲惨さと理不尽さを痛感させられるノンフィクション作品。 ★★★★半2022/03/28
ゆずこまめ
2
ウクライナの情勢を考えると読むのが尚更辛い。命か国の誇りかの選択を迫られて国の誇りを選んだ彼らは今の祖国を見て何を思うだろう。彼らが安心して眠れるのはいつなんだろう。2023/05/21
太陽の塔
2
★★★★☆ FOOTxBRAINの勝村さんが紹介してたので知り読みました。サッカーだけじゃなく第二次世界大戦中の、当時の劣悪な状況もよく表していて、いかに悲惨で救いようがないかが良く分かる。ナチスに人としての全てのアイデンティティが奪われる中、サッカーだけが唯一、自分達の存在証明が出来る手段。だからこそ命をかけてでも守り、戦い抜いたのがサッカーだった。サッカーファン以外にも是非読んで欲しい1冊!2011/11/24
dyui3
1
FOOT×BRAINの特集で紹介された本で興味を持ったので読んでみたけど、こんな歴史があったなんて知らなかった。ディナモ・キエフには彼らのことを今でもちゃんと伝え続けていることは素晴らしいし、歴史の悲劇は忘れさせないためにも必要なことだと感じた2011/07/25
わにさん
0
第二次大戦中ドイツ占領下のキエフの話。ある程度は歴史に関する知識も必要かもしれない。ファシズムとサッカーというとワールドカップイタリア大会が思い浮かぶ。ファシズムのもとで試合が操作されたというけれど、実際にはどうだったのか。キエフの選手たちは屈しなかった。何か違いがあるのか、気になるところ。2015/02/14
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