後ろ向きで前へ進む

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794965400
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

1979年―私は21歳だった。この夏、銀座で「植草甚一」展が開かれていた。旅行先のホテルのナプキンや電車の切符といった、いままで展示品にならなかったものが並んでいた。不思議な感じがした。一篇の小説にも出会った。雑誌『群像』に掲載された「風の歌を聴け」。自分たちの言葉を見つけたと思った。批評集『表層批評宣言』をリアルタイムの新刊で手にしたのも、この年だった。時代が大きく変わろうとしていることを、体感した。思想、教養、ライフスタイルの転換期のようだった。1979年とは、何であったのか。今、何であるのか。時代の深層を深く静かに読み取っていく注目の評論集。

目次

植草甚一的なるものをめぐって
生き方としての保守と主義としての保守―福田恆存と江藤淳
一九七九年のバニシング・ポイント
一九八二年の「福田恆存論」
私小説とは何か
さよならジャイアント馬場
靖国神社と「靖国問題」
東京堂書店のこと

著者等紹介

坪内祐三[ツボウチユウゾウ]
評論家。1958年、東京出身。早稲田大学文学部卒業。月刊誌編集部を経て文筆業に。アメリカ文学、明治・大正文化史を研究。『慶応3年生まれ 七人の旋毛曲り』(マガジンハウス)で講談社エッセイ賞(第17回)受賞する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

13
古本市で購入。今は亡き文芸評論家の坪内祐三さんの脂の乗り切った評論集。晶文社から2002年刊。ツボちゃんの興味の方向が一望に出来る力作。私小説、靖国神社、好きな書店、福田恆存、等など、その中でも植草甚一に関するのと、『1979年のバニシングポイント』が、共感できました。前者はサブカルを中心に、澁澤龍彦や小林信彦などの話題も絡ませて、植草さんより前にバラエティブック(寄せ集め)と言う形式は無かったと、後者では79年新人賞の「風の歌を聴け」を読んで受けた21才の著者が同時代の言葉を生々しく感じた事の衝撃!2023/10/29

勝浩1958

5
この評論集に収められている「靖国神社と「靖国問題」」の内容は、もっと普くわたしたち国民が知っておくべきものだと思います。この論評の初出は『文藝春秋』2001年9月号となっています。その当時これを読まれた方々はどのような感想をもたれたのでしょうか、それが知りたいです。2014/04/17

go

3
面白かったなー。てか卒論凄すぎ。完成されてるわ2021/06/30

tjZero

3
”温故知新”の最初の二文字に重きを置いたような、著者による論説が並ぶ。興味深いのは、早大の卒業論文が真ん中付近に挟まれていること。そう言われないと分からないほど、文筆業以降の他の文章と並んでも何の違和感も無い。坪内さんは学生の頃から、すでに”プロ”だったのだ。2020/10/19

3
1979年、著者が21歳だったこの年、世の中は大きく変化した。この年はなんだったのか、またどのように変化したのか、文学を中心に考察した評論集。すべてを理解できたわけではないけれど、事前に読んでいた大塚英志『サブカルチャー文学論』に助けられて、文壇の消滅前後の様子を少しながら理解することができた。「文壇」の存在が今、最大の関心事。また文学以外の事柄に対する考察に触れ、自分の興味の外に在る物事についても興味深く読め、新たな知識にもつながった。植草甚一、私小説、東京堂書店にまつわる章が特に特に面白かった。2019/10/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/25581
  • ご注意事項

最近チェックした商品