内容説明
装飾過剰なウルトラバロックの教会。「死者の日」の墓を飾るロウソクの幻想。遺跡を埋め尽くす大胆なレリーフ。広場で売られるカラフルな民芸品…。土着の文化と西洋がぎりぎりのところでせめぎ合う、不思議の国・メキシコ紀行の傑作。
目次
ウルトラバロックの教会を訪ねて―一九九二年
マヤ文化圏を歩く―一九九二年
コロニアル都市巡り―一九九二~一九九四年
死者の日を見に行く―一九九四~一九九五年
メキシコの建材を求めて―一九九六~一九九八年
メキシコ式ホテルに泊まる―一九九九~二〇〇〇年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OKKO (o▽n)v 終活中
5
図書館 ◆スペインはメキシコにとんでもない種をまいた。著者は花開いたそれを「ウルトラバロック」と呼ぶ。カトリック教会のファサードに、祭壇に、墓地に、死者の祭りに、受難の行列に、キリスト教信仰への情熱に飲み込まれるどころかますます熱量を上げてゆく先住民の信仰(=ライフスタイル?)がメキシコを形づくっている ◆古代メキシコに端を発する礼拝形態は「外観」重視、その端的な例が内部空間を欠くピラミッド。ゆえに教会堂もそれゆえナラティブなファサードを備えうる……「祭壇ファサード」の概念は本当にマカオに適用可能か?2017/06/04
しんさん
2
過剰なまでに表現しつくす文化。2022/09/17
キノコン
1
建築家で写真家の小野一郎さん(いまは尾形一郎さんというらしいですが)が撮るメキシコとグァテマラの濃いバロック教会。写真も素晴らしいがその旅行記がとても良い。陶芸家ゴルキーさんとの出会いや仙台でのウルトラゴシック展のことも魅力的で、展覧会行ってみたかった!と切実に思いました。最後のテマスカルの修行のような蒸し風呂と海と満月のコラボレーションが素晴らしかったです。サン・ミゲル・デ・アジェンデのCasa de Liza に行ってみたい、とても。2019/04/21
アジシマ
1
余りの過剰装飾ぶりに気持ち悪くなってきさえするが、その一方で妙に人を惹き付けるウルトラバロック。こういった土着的エネルギーに満ちたものは大好きだ。もう少しカラー写真を見たかったが、それは同著者の写真集を見ろということか。2012/01/10