内容説明
内容を表現するものなのか、売るための飾りなのか、時代を映す鏡なのか…。原弘から戸田ツトムまで、11人のデザイナーの活動を中心に描く、「装幀」から見た現代出版文化史。
目次
1 原弘―戦後モダニズムの集大成
2 吉岡実・栃折久美子―出版社のカラーを引きだす力
3 粟津潔―反近代の民俗的性
4 杉浦康平―思想をはらむデザイン言語
5 和田誠―等身大のエンターテインメント
6 平野甲賀―書き文字の存在感
7 田村義也―手づくりの重厚な触感
8 司修―自己主張を抑えた美学
9 菊地信義―清潔で甘美な企て
10 戸田ツトム―DTP世界の先駆者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
18
本の装幀に関する過去からの流れがこの一冊で見事に分かります。時代順に、原弘、吉岡実・栃折久美子、粟津潔、杉浦康平、和田誠、平野甲賀、田村義也、司修、菊地信義、戸田ツトムの11名。実際の本のカラー写真入りで本と言う三次元の物体の魅力満載。自分はこの中では、松岡正剛さんと共に雑誌『遊』のデザインを手掛けた杉浦康平さん、そして和田誠さん、平野甲賀さん、菊地信義さん等が印象に残ってます。筑摩書房の吉岡実、晶文社の平野甲賀みたいに、社内専属としての活動などもこの本でその内実を初めて知りました。手元に置きたい本です。2024/10/11
moonanddai
4
個人的にはここを覗いては危ないかな、と思っていたのですが、覗いて、ヤッパリ危なかったですw。はまってしまえばものすごく奥深い…。知らなければ、それですむもののようです。確かに本屋さんで、何となく手にとってしまうのは、「凝った」本だったのかも知れません。カヴァーはもちろん、見返し、表紙、目次、本文、奥付け、裏表紙という流れがすべて計算されている。本文の活字も、レイアウトも…。これからは、本を選ぶポイントも少し変わりそうです。2017/03/16