目次
職人とよばれた天才ジャーナリスト
花森さんとの出会い
どぶねずみ色だっていい
弟子になるのもラクじゃない
暮しの手帖社の常識
わたしの商品テスト入門
負け犬になるな
お当番さんにあけくれる一日
研究室のみそ汁
三つのしごと〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミス レイン
3
花森さん没後の生まれなので、当時の暮らしの手帖を知らない。読んでみたい。仕事ができればふるまいに多少問題があっても、というのは、その値の無い人が口にしているのをよく耳にするけれど、花森さんのような才と信念と誇りがある人へこその言葉だと思えた。もちろん花森さんは根の人間性もしっかりしているので後輩が慕い、育ってゆくのだろう。暮らしの手帖は、10年ほど前に読み始めたものの、だんだん内容が折り目正しいけれど息苦しく感じられて読まなくなってしまった。先日立ち読みしたら雰囲気が変わっていたので、また読もうかな。2016/10/13
清水勇
2
朝ドラで有名になった「暮らしの手帖」。その編集長だった「花森安治氏」の下で6年間しごかれた著者が、鬼編集長の凄さ(多彩で凄い才能を有した人物なのに、人にも自分にも厳しく、「暮らしの手帖」の編集に少しも妥協を許さなかった姿)を、いろいろな角度から暖かい人間性を有した人物として描いている。著者が本当に彼を慕っていたことが分かる。私自身会社に入った40年近く前は、妥協することに対して烈火のごとく怒る先輩技術者が多かった。それだけに先輩たちの技術にはブレがなかった。自分は先輩のように人に誇れるものがあるだろうか?2016/07/01
ノヴ
0
「じぶんの手で現実にふれ、じぶんのからだで汗水たらして考えようとしない。いつも手は机の上だ……それで地にはいつくばって生きている人間の暮しが、どうしてわかる」この花森さんの思いを胸に刻むと、TVに映る権威ある賢しそうな人や一流クリエイターでも、冷静にその人を見ようとすることができた。かといって、こちらに暮しの感覚が欠陥してることは確かで、その冷静な視線も愚劣な軽視では?払うべき敬意に蓋をしないか?と、まだ取扱い注意だが、大切な「暮しの指標」を手に入れた。自分の手を地につけて、自分の手で現実をつかまえろ。2017/04/09
mrkmrk
0
「編集は建築だ。」2014/06/09
ご〜ちゃん
0
「ぼくはアーティストじゃない。アーティストということばには、ひとの眼をまどわすような、どこかキザな響きがある。芸術家なんて称するのは、もっと品がない。アルチザンのほうがよほどしっくりするんじゃないか。日本語でいえば職人だ。職人にリクツはない」と、ふだんからいっていたという、花森安治さんについてもっと知りたいと思う。2013/11/13