内容説明
チェーホフやゴーリキー作品の初めての演出家として、モスクワ芸術座の共同創立者として、「スタニスラフスキー・システム」の考案者として、今なお世界の演劇人を触発してやまないスタニスラフスキー。しかしその人物像は、いまだ謎に包まれている。旧ソ連崩壊による新資料をもとに、隠されていた事実を明らかにし、スターリン時代につくられた像に書き換えをせまる。革命と強大な国家権力の波に洗われながらも、演劇が、真に力をもちえた時代。孤独に徹しながら情熱をもって生きた演劇人の、生涯を伝える決定版評伝。
目次
第1部 モスクワ芸術座への道―1863‐1904(生家;少年俳優誕生;芸術・文学協会創立 ほか)
第2部 スタニスラフスキー・システムの誕生―1904‐1917(メイエルホリド;最初の外国公演;演技の「文法」 ほか)
第3部 1917年の革命とその後―1917‐1938(ロシア革命;オペラの試み;アメリカ公演 ほか)