内容説明
ここは、美しい田園風景のひろがるオクスフォード近郊の小さな村。花や野菜づくりの喜び。香りたつ旬の食卓。素朴な村人たちとの愉快なふれあい。そして、庭にたたずむ一本の「魔法の林檎の木」―。18世紀の古いコテジに移り住んだ女性作家が、田舎暮らしの四季折々の魅力を濃やかに綴る。おおらかで気まぐれな自然を慈しみおそれ、ゆたかな孤独を愛する英国人の人生観を映しだす、「カントリー・ブック」の傑作。サマセット・モーム賞受賞作家がつづる英国流・田舎暮らし12か月。
目次
冬(魔法の林檎の木;雪の村 ほか)
春(朝の歓び;生き物たち ほか)
夏(いこいの木陰;土ぼこりと麦の海 ほか)
秋(なつかしいにおい;森の移ろい ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
6
魔法の林檎の木、近所の人たち、作物や家畜、森からやってくるお客、移り変わっていく自然や、季節ごとの行事、家族のこと、収穫と料理……どのページを開いても、ちょっとそこの隣村という感じで、バーリー村、ムーンコテージを訪れることができる。こんな感じの隠れ家的な本が一冊、手許にあるっていいものだ、と思う。2021/03/04
jeli
6
海外の気候風土に興味を持った。都市生活は大体察しが付くとして、園周辺のこと。あまり昔の話でなく、となんとなく探してい目に止まった一冊。果物屋野菜など、知らない名前がたくさん出てきて楽しかった。あと、日本は思いのほか山の国なんですね。グーグルマップ見ながら読んでいて自分の田舎と比較して楽しみました。2010/03/24
timeturner
2
『南仏プロヴァンスの12か月』のイギリス版といったところ。うらやましい限りの暮らしぶりで、読んでいると別の世界に誘いこまれてしまう。ただ、薪ストーブ礼賛は、自然保護から考えて今の時代には素直に受け止められない。また、選民意識というか「私ってすてき」感がたまに透けてて気になる。そこまで深読みせずに田園の四季を楽しめばいいんだけど。2014/03/08