内容説明
インターネットはマスメディアでもミニコミでもない。無数の「私」がつくるメディアが相互にリンクしあって世界を覆う。「私」のいるローカルな場が、物理的な距離をこえたトランスローカルな場に一挙に変容してしまう。それが、インターネットなのである。国家による暗号技術の独占など、こうした変容を阻む強大な力に抗して、はたしてそれは、いまある世界を、もっと風とおしのよいものに変えることができるのだろうか?私たちのコミュニケーションを意味あるものにするのは量やサイズの大きさではない。肝心なのは質や差異なのだ。90年代のコンピューターやインターネットと徹底的につきあいつづけた著者による、7年ぶりのラディカルなメディア論集。
目次
電子個人主義の先へ
異質な場を多重にリンクする
もしインターネットが世界を変えるとしたら
デジタロン物語―ある二十世紀研究家の手配
日常のインターフェース
電子と身体のはざまで
テクノロジーと「純粋」自然
ラジオ・アート
身体のヴァーチャリズム