内容説明
SF・ファンタジー文学の巨星。自転車に乗った思索者。クリスマス・プレゼントにおもちゃを熱望する永遠の少年。―すなわちブラッドベリ。12歳でおもちゃのタイプライターを叩きはじめてから、1日1000語ずつ、30万語書きあげたころ、処女作『みずうみ』が生まれでた。ブラッドベリ、22歳。世界中の読者を魅了した『華氏451度』や『たんぽぽのお酒』は、いかにして書かれたか。少年時代という創作の源泉から、作品に命をあたえる一滴のエッセンスを抽出するには。愉快で真剣な小説作法を惜しげもなくあかし、書くことの喜びをうたいあげるファン必読の一冊。魅惑のエッセイに詩8編を付して、待望の初邦訳。
目次
書くことの喜び
速く走る、ぴったり止まる、あるいは階段の上のもの、あるいは古い精神に発する新しいお化け
いかにして詩神を居着かせるか
酔っぱらい、自転車一台所持
10セント玉の投資―『華氏451度』
ビザンチウムとまで行かずとも―『たんぽぽのお酒』
ロボット博物館の黄昏
秘密の精神
禅と小説
創造性について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
30
ブラッドベリのアンソロジーかとおもいきや珍しくもエッセイ集だったのですね。自分の子供の頃とかの思い出や、あるいは自分の作品についての思い出など、また最後には散文詩のような作品が数編掲載されています。2015/01/23
M66
4
うーん、すごかった。本当にブラッドベリが頭のなかに「やってき」た。そしてトウトウと語る。書くことはなんて楽しいんだ、想像することはなんて簡単なんだ、物語ってのはほら、爆発して―ふっ飛んで――生まれちゃうんだよ。「酔っ払い、自転車一台所有」、そして「速く走る、ぴったり止まる」。あーブラッドベリって、いいなぁ。なんかあなたに、せいの、って言われると、ほんとにジャンプしそうになるんだよ。そこが電車の中でも、安普請の畳の上でもさー。2010/01/27
amanon
3
ブラッドベリ特有の詩情溢れる文体に感嘆するとともに、著者の息遣いそのままであるかのような、躍動感に満ちた訳に驚嘆。解説にもあるように、発表年にかなりの幅があるのにも関わらず、著者の瑞々しい感性と闊達な語り口は殆ど変わっていない。その辺りが著者の魅力の最たるものであり、今も多くの人を魅了する要因になっているのだと思う。とりわけ心踊らされたのが「ロボット〜」。かつて子供騙しの夢物語と一蹴されていたSFの真価が、世に認知されるようになるプロセスは、かつての日本SF黎明期とかなり重なる部分があるのに感慨を覚える。2020/11/21
Mariamaniatica
3
ブラッドベリが怒涛のごとく語ります。すごいパワー、すごい勢い。これがブラッドベリだったのだ。創作への過程が人生そのものであり、オリジナル。誰もあの世界を凌駕できないわけだ。2012/06/16
ちえぞー
3
昔むかし読んだ、「火星年代記」や「華氏451度」などをまた読み返したくなりました。短編の創作秘話も満載。うちの本棚をひっくりかえしてみなくっちゃ。2010/10/07
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