内容説明
新たな戦いが間近かに迫っていた。危機を伝えるため、「黒曜石」は乳飲み子を連れて故郷の西の島へ向かう。そのとき、新天地を求めて一人の青年が海をわたってきた―。氷に閉ざされた青い世界に薄明かりが照り映えるころ、死者たちの霊をのせた風が「黒曜石」にささやく。いまこそ勇気を…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷺@みんさー
26
面白かったー。特に下巻は一気読み。こういう、狩猟採集サバイバルや、アニミズムの考えとか大好きなんだけど、今回は戦いのシーンが非常にリアリズムを持って描かれ、「古に遡る」たちの知恵に感心した。そして「本当に、なぜ人が人を殺すようになってしまったのか」と悲しい気持ちになったり。この時代の男尊女卑を覆すようなヒーロー「筋肉」の魅力的な人柄、上巻に続いてヒロイン「黒曜石」の強さややさしさが胸に迫る。これで「黒曜石」の見納めかと思うと切ない。第二部はこの巻で生まれた赤ん坊「誰」がヒロイン。期待したい。2017/10/21
tom
11
「大地の子エイラ」とよく似た設定の物語。そして、少女の成長物語。何千年か前のアリューシャン列島をリサーチして、そこに住む人たちの生活を再構成、そのうえで物語を作ったというもの。まあまあ、そこそこ読ませる感じ。「エイラ」を超える物語になるかどうかは、少々疑問だけど、とりあえず続きを読んでみる。2017/12/17
rincororin09
2
図書館から。紀元前7000年頃のアリュート族の少女の物語。衣食住のこまごまとした描写のリアリティーがすごい。そう、ファンタジーに必要なのはリアリティー!2018/02/15
takeapple
2
下巻になって俄然面白くなった。黒曜石がこのあとどうなっていくのか、どんな幸せをつかむのか、クジラ取り族や短身族のことももっと知りたいと思っていたら終わってしまった。第2部を早く読みたい。2010/07/21
おだまん
2
さらにキツイ内容。主人公の強さだけが救い。2012/05/26