内容説明
ポップ・ミュージックは国や文化の境界を超えた。50年代のプレスリー、60年代のビートルズ、70年代のアバ…。ロックは社会にどのような影響をもたらしたのか?ミュージシャンと聴衆。レコード市場の経営とメディア・タイアップ。若者とセクシュアリティ…。ロック―このとらえがたい重層性をもつメディアを、あらゆる側面から徹底的に分析する。大衆文化の解明に新しい視点を提示した、いまや古典ともいうべき名著。
目次
1 ロックの意味(ロックのルーツ;ロックと大衆文化)
2 ロック生産(音楽をつくる;レコードをつくる;金をつくる;意味をつくる)
3 ロック消費(若者;若者と音楽;ロックとセクシュアリティ;ロックと余暇)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
11
余暇は労働と分かち難く結ばれていて、その関係から若者音楽としてのロックが発展したという話は『暇と退屈の倫理学』を想起させる。パンクは「ラブソングに依存しない最初の若者音楽の形式」で「セックスに何か意味があるというのを否定する」、故にロック産業から排除されてきた女性がパンクコミュニティに参入できたと書かれていて、かなり本質的な指摘ではないだろうか。フリスがデヴィッド・ボウイと同世代の英国人であることが、この本の批評性の在処を物語っている。愛着と失望に引き裂かれた感じ。2021/09/10
yuki-m
2
ロックの様々な起源や、商業主義、芸術、若者文化、余暇など様々な観点からの分析。イギリス人から見たロックの研究なので若干注意が必要か?2009/10/19
水紗枝荒葉
1
まず、本書は歴史的に重要である。原著『Sound Effects』(1981年)がポピュラー音楽研究が爆発的に普及するきっかけとなったからだ。この文脈を把握していないと、本書を今読み通すのは厳しい。本書以降長足の進歩を遂げたポピュラー音楽研究および環境の変わった人文理論からすれば、脇の甘い記述が散見される。それでもやはり古典と呼ぶべき内容で、著者の中でのカルスタと社会学の葛藤を考えるなど読みようはいくらでもある。個人的に楽しい読書体験ではなかったが。2023/12/14
ちゃんちゃん
1
卒論の参考文献。2017/01/17
orange21
1
ロックが本当に好きな人は読まなければ損。読んでも損かもしれないけど。2008/11/16