感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西村章
1
ハメットの生涯は表層的なことしか知らなかったので、しっかりした評伝を読みたいとずっと思っていた。偶然にも先日、吉祥寺の古書店で本書を発見して即座に購入。少なくとも本書を読む限りでは、レッドパージで投獄された後の不遇な晩年も、保身や迎合に流されることなく凛とした矜持を貫いて生きたことが明らかにされていて、身の引き締まる思いがした。三十年前の本だけど史料性もばつぐんに高いし、今からでも文庫化されて多くの人に読み継がれていってほしい、第一級の人物評伝だと思う。小鷹信光さん訳という点も、本書の価値を高めている。2019/08/14
kotoriko
0
再読、良い翻訳。2008/06/27
Hotspur
0
小鷹信光「ハメットに対するノーランの、熱くはげしい思い入れ…ジョンスンのハメット伝とはちがって、ノーラン自身の主観に基づいた筋が一本通っていて、語り口もなめらかだ」訳者はジョンスンの作品の資料的価値は評価するものの、明らかにノーランの作品の方に好みは傾いている。これに同意したい。2018/11/25