さよなら日本 - 絵本作家・八島太郎と光子の亡命

宇佐美承

晶文社（1981/11発売）

• サイズ B6判／ページ数 321p／高さ 20cm
• 商品コード 9784794959379
• NDC分類 916

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[tototomoton]

これも図書館にあったから何気なく借りた一冊ですが、興味深く読み終わりました。戦前の日本でプロレタリア文化運動に関わり、アメリカに亡命、戦争中は日本向けのプロパガンダ宣伝部隊として活動、戦後もアメリカで制作を続けたアーティスト夫婦の一生を丁寧に追った一冊。 １９００年初頭に生まれた二人の話なので彼らの人生を読みながらほぼ日本の近代史を追えるのも良かった。

2012/07/04

[turutaka]

主義などにはまったく共感しないのだが、その才覚を活かして自分が生きたいように生きた人のお話は面白い。だから余計、その晩年の思い通りにいかなさについては、「そりゃそうだろ」との感想しか出てこない。 思い通りに生きたなら他人の思い通りも受容しなくちゃならんからな。結局のところ、SNSをにぎわす「出羽上」もこんな末路がオプショナルとして用意されていることを十分に意識して生きた方が良い。 思い通りの生き方は、他人の思い通りと簡単に衝突する。

2023/12/30