内容説明
49歳。死の前の充実感動のメモワール。ボヘミアンの街パリの青春。癌との壮絶なたたかい。現代アメリカの放浪詩人が遺した衝撃の回想録。
目次
第1部 性
第2部 政治
第3部 死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃんondrums
12
死を前にした詩人・批評家ポール・ツヴァイクの回想録。「性」「政治」「死」の章立てになっている。いろいろな読み方ができるが、印象に残ったのは「政治」。筆者がパリに住んでいた10年間に、アルジェリア独立戦争が起こっている。現在のフランスの問題は、このころから引きずっているものだとの読み方をしてしまう。フランス語を完璧に話すユダヤ系アメリカ人の筆者がアラブ人に同情するあたり、たぶん常に自分は何者かを問うていたからではないだろうか。本書を読まなければ知ることのなかったフランスの歴史の一部を垣間見た。→以下メモ2016/05/09