内容説明
異国の文化を知る鍵は、ふだん着の言葉にある―ふと耳にしたスペイン語を手がかりに、スペイン文化の神髄を探りあてる、書き下ろしエッセー51篇。
目次
1 スペインは騎士道の国である
2 女と男のあいだには
3 スペイン流 暮しの手帖
4 ちょっと気になる言葉
5 会話の妙、会話は芸術
6 知っておくと得をすること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
4
日本語の「あなた」と「君」のニュアンスとは全く違っている。たとえ相手が年上で、立場的に上でもあっても、ある程度気心が知れると"tú"で呼ぶべきだという。相手が親しみを込めて、"tú"で呼んでくれているのに、いつまでも"usted"を続けていると冷たい人だと思われる。夫婦はふだんは"tú"で話すが、けんかすると"usted"になる。子供を叱る時はわざと"usted"を使い、相手を威嚇する。男女関係で、あまり近づいてほしくない相手には"usted"を用いて一線を引く。楽しみながら、スペイン語の勉強ができた。2022/03/27
ごー
3
スペイン、スペイン人、スペイン語をめぐるあれこれ。スペイン語を知っている人も知らない人も楽しめる本だと思う。さて、スペイン人はとても複雑な人々のようだ。たとえて言えば京都人のような(といっても、私は京都に住んだことがないので、本当のところはわからない)。ポルトガル語にoxalá(〜でありますように)という言葉があり、何だかポルトガル語っぽくないなあと常々思っていたのだが、この本に¡Ojalá!は「おお、アラーの神よ」というアラビア語がスペイン語になったと書いてあり、初めて合点がいった。2015/04/23
ukitama
0
図書館の書庫から借り出して読んだ。文法としては知っているが、digaの丁寧表現としてのdiráの使い方、oirとescuchar(hearとlistenの関係に近い)など、西語学習初心者には面白い内容。saberとconocerの使い方、哲学的領域というのは興味深い。「conocer a 個人」と文法では習うが、前置詞 a が無い時の意味など、副読本としては読むとためになりうんちくが語れる内容。言葉は変化するが、相互理解の手段としては、ある程度の統一が求められる。そうした葛藤を受ける西語の状況がわかった。2020/01/20
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