双書・２０世紀紀行 強制収容所へようこそ

ラトゥシンスカヤ，イリーナ【著】〈Ｒａｔｕｓｈｉｎｓｋａｙａ，Ｉｒｉｎａ〉/矢田 雅子/片岡 みい子【訳】

晶文社（1991/02発売）

• サイズ B6判／ページ数 571p／高さ 20X15cm
• 商品コード 9784794928313
• NDC分類 986
• Cコード C0398

内容説明

私たちの国は、一体どこで道をまちがってしまったのか―。詩人ラトゥシンスカヤは、１９８２年に作品が反ソ的だという理由で逮捕され、ゴルバチョフ政権のもと、「女子政治犯」としてモルドヴィア矯正労働収容所で４年間の獄中生活を送った。獄房間の秘密郵便。病気の仲間に治療をもとめる度かさなるハンガー・ストライキ…。究極の管理社会における過酷な生活をつづりながら、驚くべき明るとさ強靱な精神につらぬかれた、新しい時代によるかつてない収容所の記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[橋川桂]

強制収容所に送られて、そして生き延びた著者の本なので、当然政治囚視点。不屈の信念を守り、絆を重んじて、過酷な日々をたくましく生き抜く姿が生き生きと描かれて引き込まれてしまうのだけど、いざ自分がこの境遇に追いやられたら、とはやはり考えてしまう。著者はやんわりといくらか同情的に語っている変節者や密告者、罪悪感は抱きながらも規則に逆らえず虐待者側に回るしかない職員たち、の方にどうしても意識が向く。

2017/01/31