内容説明
復活祭の祝日、サイモンとキースの兄弟は町にやって来たサーカスを楽しみにしていた。しかし、開幕前夜、家を抜け出して会場の偵察に出かけた二人は、運河の橋で怪しい人影を目撃、翌朝、ナイフで切り裂かれた女綱渡り師の死体が発見される。その後も若い女性ばかりを狙った同様の手口の犯行が続発、平和な町に恐怖が広がった。事件の真相を探ろうと決心したサイモン少年は、骨董屋で出会った不思議な老婦人に協力を求められるが、その女性こそ、数々の難事件を解決してきた心理学者ミセス・ブラッドリーだった。オフビートな探偵小説の作者として本邦でも俄然注目を集め始めたグラディス・ミッチェルの最高傑作とも評される本書は、切り裂き魔による連続殺人事件を13歳の少年の目を通して描き、不思議な詩情をたたえた傑作である。
著者等紹介
ミッチェル,グラディス[ミッチェル,グラディス]
1901‐1983。イギリス、オックスフォードシャーに生まれる。ロンドン大学で歴史学をおさめ、教員生活を送りながら探偵小説の執筆に手を染め、1929年、第一作『迅速な死』を発表。心理学者ミセス・ブラッドリーを探偵役としたシリーズで、オフビートなユーモアに満ちた英国ファルス派を代表する作家として高い評価を得る。代表作に、詩人フィリップ・ラーキンらが絶賛した『月が昇るとき』の他、『ソルトマーシュの殺人』(32)、『トム・ブラウンの死体』(49)など。別名義を含め、70冊以上の長篇ミステリを発表している
好野理恵[ヨシノリエ]
東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。翻訳家
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感想・レビュー
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