内容説明
ここはフランス東部のおもちゃ造りの町モルトフォン。雪の降るクリスマスイヴ、サンタクロースが殺された!死体の衣裳を脱がせてみれば、現れたのは見知らぬよそ者。教会では、聖ニコラの聖遺物が盗まれた。フランス革命時に失われた「黄金の腕」の宝探しがからんでいるらしい。おりしも町の舞踏会に可憐な娘シンデレラが登場したが、おとぎ話とくらべるとどこか変?フランスで愛されつづける「プロスペール・ルピック弁護士」シリーズ中の珠玉の一冊。
著者等紹介
ヴェリー,ピエール[ヴェリー,ピエール][V´ery,Pierre]
1900年、フランス西部のシャラント県生まれ。少年時代、のちに詩人となったピエール・ベアルヌとともに、放浪と冒険の旅にでた。船員、本屋の主人などを経て、農民小説『ポン=テガレ』でデビュー。『バジル・クルックスの遺言』で冒険小説大賞を獲得。探偵小説を詩的でユーモアに富んだものにしたいという夢が、どの作品にも生き生きと現われている。1960年没
村上光彦[ムラカミミツヒコ]
1929年佐世保市生まれ。東京大学仏文学科卒業。現在、成蹊大学名誉教授
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感想・レビュー
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造理
6
★★★☆☆ クリスマスの雰囲気がよく出ています。ファンタジー&ユーモアに溢れ、殺人が起きてもあまり悲壮感はありません。トリックはなかなか本格的なものが使われており驚きました。映画化もされているということで、ぜひ見てみたいですね。2016/08/20
やっす
2
桜咲くこの時期に何故か『サンタクロース殺人事件』を読む自分。(笑)法月綸太郎氏が海外本格のベスト20作の中に取り上げていた事で興味を持った作品。盗人の消失や聖遺物の盗難に対する種明かしは小粒な感じだし、関係者の供述の食い違いについての解答も肩透かし気味で、これは期待ハズレかなと思ったら最後に意表を突いた真相が明かされ『おぉっ!?』となった。まさか自分の好物の○○○○トリックが使われているとは。子供向けの様な雰囲気の中にも結構本格的な仕掛けがあり侮れません。一風変わった本格ミステリの佳作でした。2014/05/06
kanamori
0
☆☆☆2013/09/27