内容説明
ジャマイカの農園から故国イギリスへと船出した子供たちを待ち受けていたのは、海賊船の襲来だった。その日から海の男たちと子供たちの奇妙な船上生活が始まる。突発した殺人事件をめぐって、無邪気な幼い心がもたらした恐るべき結末とは―。人間についての真実を天啓のように示した、『蠅の王』にも通ずる伝説的古典。
著者等紹介
ヒューズ,リチャード[ヒューズ,リチャード][Hughes,Richard]
1900‐76年。イギリス生まれ。オクスフォード大学に学ぶ。在学中から旅や冒険を好み、乞食や街頭画家をしながらヨーロッパ、アメリカ、西インド諸島、近東を転々と放浪。この体験を生かして一幕劇や詩を書き、好評をえる。1929年に処女小説『ジャマイカの烈風』、38年に『大あらし』を発表して幅広い読者を得、人間性と時代への鋭く深い洞察を織りこんだこの二つの秀れた海洋小説で、文学史上にその名を不朽のものとした
小野寺健[オノデラタケシ]
1931年、横浜生まれ。東京大学大学院英文科修了。横浜市立大学名誉教授、日本大学・文化学院講師
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