ウィリアム・モリス・コレクション
輝く平原の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794916938
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

春まだ浅いある日、平和な日々をおくるクリーヴランドの浜辺に海賊船が出現し、一人の美しい乙女を連れ去った。乙女の婚約者である“大鴉一族”の若者ホールブライズは海賊船を追って探索の旅に出る。行く手にあらわれた謎の大男にさそわれ、陰謀渦巻く海賊たちの島へ。さらに、“不死の王”の支配する“輝く平原”の国へ。永遠の若さと幸福を約束するというその国で、ホールブライズが出会ったものとは?モリスが生涯のテーマとして追求した「地上の楽園」をめぐる愛と冒険の物語。

著者等紹介

小野悦子[オノエツコ]
東京生まれ。聖心女子大学および大学院修士課程修了。現在、明治大学、跡見学園女子大学、非常勤講師。訳書トマス『美しい書物の話』、ラバーン『ユートピアン・クラフツマン』、ブラウン『英国建築物語』(以上、晶文社)、ポールソン『ウィリアム・モリス』(美術出版社)ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

104
ロマンスという言葉がぴったりのそれはそれは美しい物語。花をあしらった表紙のモリスの絵が素晴らしいし、ウォルター・クレインによる本文の緻密な挿絵も、見れば見るほど引き込まれてしまう。物語自体も夢のような美しさに満ちている。主人公のホールブライズが、海賊に連れ去れた恋人を探しに旅に出るのがこの物語のプロット。ホールブライズは誠実な男性で、様々な誘惑を受けても、恋人を探すのをやめない。この点はいろいろなお伽噺と同じで、彼の誠実で純粋な魂は、試練を受ければ受けるほど、輝きを増すのだ。(続きます)2017/10/28

NAO

61
作者のウィリアム・モリスは、イギリスヴィクトリア朝の詩人で、社会主義運動家として知られ、革命なったあとの世界について考えながら眠りについた若者が目を覚ますと革命後の理想郷にいた、という『ユートピアだより』の作者でもある。『輝く平原の物語』は、晩年に書いたロマンスのひとつ。輝く平原の国とは不老不死の国なので、老人たちは必死でかの国を目指す。だが、まだ青年であり行く手には希望しか見えない主人公にとっては不老不死はまだそれほど魅力的ではなく、不老不死の国で不死の王女と暮らすことより婚約者の方が大事なのだ。2022/06/12

彩菜

16
どこか中世を思わせる時代、奪われた愛を探しに旅立つ主人公、求めるものは連続する冒険の中で彼が見せる誠実さと智恵により戻って来ます。素晴らしいのは場面・場面が絵のように美しいこと。活字で書かれているのを忘れる程です。著者の中ではまず全てが一連の絵としてあったのでしょう。そこから外れる謎は時に放置され、主人公の感情も物語を越えて溢れる事はありません。ですがその分、想像の中の絵は迷う事の無い線を描き、その色彩は濁りなく、まるで宝石のようなステンドグラスか彩飾絵本を見ているように思ったのは私だけでしょうか。2020/04/05

壱萬弐仟縁

10
デザインの人、W.モリス。描写が素敵だ。月の光に照らされた大海原、波しぶき、砕ける水しぶき、そして海水できらきら輝いている仲間たち・・・(104頁)。奥付前の、Kelmscottのデザインは、なんか、クルマにデザインすると格好いいんではないか、と思ってしまった。2013/06/09

ケロ

1
レイウ゛ァン家のホールブライズは、許婚のホディッジを海賊に拐われる。彼女を追って海賊の島に行くが、そこで見た夢の中に彼女が現れ「輝く平原」にいるという。海賊の元首領とともにたどり着いた「輝く平原」では、老人は若返り、誰もが幸せそうにしていた。輝く平原の王「不死の王」に会ったホールブライズは「お前を愛するものを与えよう」と言われ、ホディッジに会えることを期待したが、それはホールブライズに焦がれる王の娘だった。結局ホディッジはおらず、海賊は王の命令でホールブライズを連れて来たのだった。王の阻害にあいながらも輝2012/05/19

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