出版社内容情報
レーニンによるロシア革命からスターリンの台頭と跋扈,その渦中にあえぐ民衆,そこにつきまとうロシア的性格を見通して,新たなソ連邦通史を構築!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
ソ連・ロシア研究の泰斗、ダンコースによる政治・思想の変遷を辿るソ連史。この巻の範囲は19世紀から1929年のスターリンによる権力確立まで。19世紀に登場した、後進的な絶対帝政下のロシアを憂える知識人達の潮流の中でボルシェビキは現れた。彼らは元々亡命者の知識人の集団であり、ロシアの社会とは価値観がかなり遊離していた。そのため、ロシア革命の直前まで彼らが権力を得るとは、ボルシェビキ達すら考えてはいなかった。ところが第一次大戦で当時の帝政の問題点が一気に表面化し、国民各層の不満も爆発。権力機構はあえなく崩壊する2023/02/18