ヴェイヨ・ロンッコネンの生涯―フィンランドITEアートの世界

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ヴェイヨ・ロンッコネンの生涯―フィンランドITEアートの世界

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  • サイズ B5変判/ページ数 190p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794813176
  • NDC分類 712.389
  • Cコード C0071

出版社内容情報

孤高の芸術家が築いた唯一無二の野外美術館を紙上で再現しつつ、
世界的な注目を集めるITEアートを紹介する本邦初の美術案内!

 フィンランド南東部、ロシア国境に近いパリッカラの町に、とても不思議な空間があります。地元の芸術家ヴェイヨ・ロンッコネン(1944‐2010)が、50年の歳月をかけて築き上げた「彫像庭園」(一種の野外美術館)です。緑と花に溢れた広い園内のそこここに550体以上ものコンクリート彫像(その多くは等身大)が佇む光景は、訪れた人に未知の体験を促します。作家の没後も継承されたこの庭園は、いまや世界中から年間数万人が訪れる近隣有数の観光名所ともなっています。
 ロンッコネンは、フィンランド独自の芸術分野「ITE【イテ】アート」を代表する存在です。ITEとは「自らつくる人生」の意で、仏英発のアウトサイダー・アートとは一線を画し、正規の美術界に属さない人々が自宅敷地をアトリエに、身近な素材を使って自然や生活と一体化した形で創作を行う点を特徴とします。
 本書は芸術家の最大の理解者が、豊富な写真と証言をまじえてその生涯と創作の源泉に迫るビジュアル評伝です。痛みを抱えた孤独な少年が、重度の社交不安に苛まれながらも独学で造形美術の道を歩み、心身の調和と他者からの承認を感得していく物語はビルドゥングス・ロマンのようでもあります。一方で、創作の動機はごく個人的・日常的でありながら、その作品群は神話や民間伝承、エロティシズム、エキゾチシズム、自我と無意識の葛藤、カーニバル的豊穣とカリカチュア、グロテスクなど多種多様な要素を含みもつに至りました。その理由が時に哲学、宗教学、精神分析、人類学の知見を援用しつつ読み解かれ、一級のITE美術批評ともなっています。
 巻末では、現地を訪れて取材・文献調査を行った訳者が、ITEアート発見の経緯や独自性を簡明に解説してくれます。日本初のITEガイドとしてもお役立てください。(編集部)


【目次】

内容説明

北欧の緑深い庭で永遠の祝祭はつづく。唯一無二の野外美術館を紙上再現。本邦初の本格ITEアート案内。

目次

芸術家の幼年期
残念な出来事
青春時代の決断
初期の作品群
写真がもたらす幻想的効果
悪夢
コンクリートの中のプロセス
世界の呼び声
彫像庭園の役割
声なき会話
公と私
村の変わり者
カーニバル
幸福の谷間
裏庭のエキゾチシズム
空洞の中の生
世界の柱
母の家
芸術家の子どもたち
静かなる子どもの園
宇宙の小道
心の調和
ヨガパーク
苔の紳士たち
グロテスクな別離
生けるコンクリート
秘密の庭

著者等紹介

グラノ,ヴェリ[グラノ,ヴェリ] [Gran¨o,Veli]
1960年フィンランドのカヤーニに生まれる。ビジュアルアーティスト、写真家、映像作家。ITE確立に深く関わった美術批評家でもある。現在はフィンランドのポルヴォーを拠点に活動中。1986年ラハティ・デザイン学院を卒業。同学院、ヘルシンキ芸術デザイン大学、ヘルシンキ美術アカデミーなどで講師を歴任したのち、フィンランド芸術大学美術アカデミー「時間と空間」学科教授に就任(2011年、2014‐17年)。視覚芸術作品で国内外の賞を多数受賞する他、写真展・美術展などのキュレーターや国家的な芸術プロジェクトの要職を務める

植村友香子[ウエムラユカコ]
1965年香川県高松市生まれ。1989年お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科日本文学専攻修了後、1993年同大学院日本言語文化専攻修了。同年から1997年まで国際交流基金派遣日本語教育専門家としてヘルシンキ大学アジア・アフリカ言語文化学科で日本語教育担当。1998年より2013年までヘルシンキ大学世界文化学科日本語講師。現在、香川大学インターナショナルオフィス特命准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。