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出版社内容情報
「森のダイヤモンド」と呼ばれるカヤの木を素材に最高品質の
「盤」を生み出す職人と、その匠を支えるまちの姿に迫る記録
みなさんは、碁や将棋の「名人戦」などで使われる碁盤・将棋盤が何の木からつくられているのかご存じだろうか。「榧【かや】」というイチイ科の常緑針葉樹である。日本では宮城県以西に分布するが、そのなかでも宮崎県産の榧は弾力性や色合いが盤の材料としてもっとも理想的とされ、「日向榧」として珍重される。そしてそのほとんどが県中央部に位置する綾町【あやちょう】の森林から採取されており、綾町の日向榧はその質の高さから「森のダイヤモンド」とも称される。
総面積の80パーセントを森林が占める綾町では、樹齢800年にも及ぶ榧の古木も見つかっている。ということは、綾町と榧の関係は太古の昔から続いているのではないかと想像できる。そんな綾町で生まれ育ち、50年以上も碁盤・将棋盤をつくり続けている「盤師【ばんし】」の熊須健一氏が本書の主人公である。
綾町は「観光」に偏ることなく、「自然生態系農業」によるまちおこしを行ったことで、エコロジーへの関心が高い移住者を惹きつけている。また、毎年多くのアスリートが合宿に訪れる地としても知られる(その理由を知ると驚かれる向きも多いだろう)。だが実はそれらに劣らずこのまちを深く特徴づけているのが、「こだわり」をもって盤づくりを行う「盤師」の哲学である。熊須氏は盤をつくる際、樹齢300年以上の榧を使うが、まずは最低でも5年間は乾燥させる必要があるという。かつて周囲から「お前そんなもんつくっていて、飯は食っていけるのか?」と言われたという熊須氏は、自らの職人としての姿勢をこう語る。「まだまだ。まだまだ。人の追随を許さないぐらいいかないかんわ。人の真似できんようなものづくりをせんと。せっかくの手仕事が何もならん。機械に負けたりするのもいかん。何もならんわ、負けちょっちゃ。手仕事が無駄になるわ」。
本書では、全編カラーの豊富な写真とともに「盤づくり」の全工程を紹介していくことになるが、職人の「凄み」や自然環境への「配慮」を知れば、綾町が「碁・将棋の聖地」であることが実感できるはずだ。(編集部)
【目次】
内容説明
「山のダイヤモンド」とも称される「綾町の榧=日向榧」。みなさんは、囲碁や将棋の「名人戦」などで使われている碁盤・将棋盤が何という木でつくられているのかご存じだろうか。答えは「榧」というイチイ科の常緑針葉樹である。宮城県以西に分布している樹木だが、宮崎県産の榧は「日向榧」と珍重され、弾力性、色合いが盤の材料として「最も理想的」と言われている。本書の主人公である「現代の名工 熊須健一」は、樹齢300年以上の榧を5年以上乾燥させてから碁盤や将棋盤をつくっている。本書では、カラー写真と分かりやすい解説で製作過程の「こだわり」を紹介するとともに、総面積の80%が森林という宮崎県綾町をご案内したい。
目次
第1章 宮崎県綾町の紹介(黒葛原伸吉)
第2章 熊須碁盤店(熊須健一)
第3章 熊須碁盤店に想う(黒木誠司)
第4章 榧の木とは(黒木誠司)
第5章 碁盤・将棋盤の製作工程―熊須健一氏監修のもと(黒木誠司)
第6章 「熊須碁盤店」に来店した有名人(黒木誠司)
著者等紹介
黒葛原伸吉[ツヅラバラシンキチ]
1946年、宮崎県東諸県郡綾町生まれ。2007年以降、日本テクノ協力会・日電協の電気管理技術者として従事(現職)
田名後健吾[タナゴケンゴ]
1967年、広島県尾道市出身。1997年、公益社団法人日本将棋連盟入職、機関誌『将棋世界』編集部に配属される。2007年より同誌編集長となり、株式会社マイナビ出版移籍後の2023年6月まで16年間務める。現在、同誌編集員
熊須健一[クマスケンイチ]
1947年、宮崎県東諸県郡綾町生まれ。「熊須碁盤店」の2代目、盤師
黒木誠司[クロキセイジ]
1950年、宮崎県西米良村生まれ。「三桜電気工業」、「神宮写真館」での勤務後、「写真のあや」を経営。廃業後、「熊須碁盤店」に勤務し、2024年に引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



