出版社内容情報
教師は「なりたい職業No.1」か、「最も避けたい職業」か?
ありのままの記録を通じて、その魅力とやりがいを改めて提示
東京大学社会科学研究所などが行った「子どもの生活と学びに関する親子調査」によると、中高生のなりたい職業の第一位が「教員」であることは、この10年間で変化がなかったという。一方、文部科学省調査では、2024年度の公立学校教員採用試験の採用倍率(2.9倍)と受験者数がともに過去最低を記録したと報じられた。採用倍率はとりわけ小学校が2.0倍と低かった。また、高知県教育委員会によると、昨年度の小学校教師の採用試験では、合格者260人のうち160人が辞退(12月3日時点)し、採用予定人数に達しないということで「追加募集」を行ったようだ。
相反したこの二つの事象を、いったいどのように考えたらいいのだろうか。
本書は、教員となって半世紀近くを迎えた筆者が経験した学校教育の「闇」と「光」の部分を取り上げたものである。2009年にブログを開設した筆者は、そこで様々な教育現場の現状を紹介してきた。それらの記事を改めて整理し、「考え」をまとめたものが本書である。
「闇」の章では、学校現場の「息苦しさや重苦しさ」について述べ、異常な労働激増職種として「誰が倒れても不思議ではない」実態を記している。理不尽な教育統制、横並びを強制する風潮と学校の縦社会、疲弊しバーンアウトする教員――その実態を知った上で、それでも教員を目指したい思う人は多分いないだろう。しかし、これが本書を発行する「ねらい」ではない。
後半の「光」の章では、教員という職業には、それでもなお「魅力」や「やりがい」があることを記述した。掲載した事例はいずれも筆者自身が経験したものであり、長いあいだ教員を続けてこられた源泉ともなっている。楽しく賢くなる授業を目指して子どもたちと共に学ぶ喜び、仲間と力を合わせて理不尽さと闘った経験、子どもの様子を伝える学級通信の発行、そして学級担任の魅力、すべてがこの職業の素晴らしさを物語っている。ぜひ読んでいただき、「やはり教員は魅力的な職業」だと感じてもらえればと願う。(しま・かつみ)
【目次】
内容説明
やはり教員は魅力的な職業!本書では、教員となって半世紀近くを迎えた筆者が経験した学校教育の「闇」と「光」の部分を取り上げた。様々な教育現場をブログで紹介してきた筆者が、それらの記事を整理し、「教育に対する考え」を訴える。
目次
第1章 「息苦しさ」や「重苦しさ」はどこから来るのか(誰が倒れても不思議ではない学校現場―半端ではない仕事量;ドミノ倒しに似た仕事の連鎖―いったんクラスが荒れはじめると;死語と化した「職員会議」―教育論議のない職員室;「必須の仕事」は「任意の仕事」―学校を休んで仕事をする;管理職あれこれ―「あんたの学校をつくればいい」;「横並び」を求める学校―スタンダード、ゼロ・トレランス(zero tolerance)
教育格差が拍車―「宿題の答え合わせはお家でやってください」
隠れたカリキュラム―「よい子」は果たして「よい子」なのか
国が心を管理する―「洗脳」に近い「新しい教科 道徳」
似非科学の入りこむ隙間―『水からの伝言」と江戸しぐさ
学力保障はもう無理だ―通知表を見て何が分かるのか
現場からの声は虚しく―理不尽な教科書の内容と採択
権力とマスコミによる教育介入―「10.23通達」七尾養護学校
PTAの存在意義はあるのか―下請け化、役員回避
辞めたい、辞めたい症候群―リタイア、バーンアウト)
第2章 それでもやりがいを感じて―やはり教師は魅力ある仕事(これほど魅力的な職業はない;教え子たちとつながって―社会の荒波の真っただ中で;こだわりにこだわる―折々の場面で;学級通信のすすめ―実践記録として活用する;教師を目指すみなさんへ―心から待っています)
著者等紹介
志麻克己[シマカツミ]
1953年、群馬県前橋市で生まれる。父母は栃木県の出身だが、競輪選手だった父が前橋を本拠地としていたため。その後、両親は東京に居を構える。中央大学法学部法律学科卒業後、教育社会学の研究を目指し、「とりあえず」現場をと、埼玉県学校事務、そして東京都の小学校の教員になる。初めの志がいつの間にか変容し、半世紀に届くほど長く「やみつきになった」教員を続けることになった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



