オランダ公共図書館の挑戦―サービスを有料にするのはなぜか?

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オランダ公共図書館の挑戦―サービスを有料にするのはなぜか?

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794811028
  • NDC分類 016.235
  • Cコード C0000

出版社内容情報

えっ、公共図書館が有料!? 実はそれには深い理由があった―気鋭の研究者による西欧高福祉国のライブラリー文化見聞記。筆者は普段、北欧の公共図書館を研究対象にしているのだが、ずっとオランダの公共図書館が気になっていた。ノルウェーに調査に行った折のことである。小さな町の図書館司書に面会したとき、開口一番、次のように尋ねられたのだ。
「日本では、図書館サービスは有料ですか?」
 日本の公共図書館サービスはすべて無料で利用できると答えると、司書は心底ほっとした様子で「ノルウェーもです」と言った。そして顔を曇らせながら、「でもね、オランダでは課金するんですよ」とつけくわえた。
 そう、オランダでは、公共図書館サービスが有料なのである。
 近代公共図書館は、「無料」「公開性」「自治体による直接運営」という三つの理念を拠り所としてきた。公的予算が縮減し、新自由主義の影響を受けた市場主導型の文化政策が強まるなか、自治体直営の原則は揺らぎつつある。それでも最初の二つの条件、すなわちすべての住民がいつでも無料で公共図書館を利用できるという点については、公共図書館制度が整備されたほとんどの国で、基本的人権に関わる文化保障の観点から維持されている。
 オランダに行くまでは、「いかなる理由があるにせよ、公共図書館サービスへの課金が許されてよいはずがない」と思っていた。無料だからこそ公共図書館と呼べるのではないか、と。こんな思いがあったため、訪ねる図書館すべてで、司書や職員に「なぜ課金するんですか?」と片っ端から聞いて回った。
 充実した公共サービスで注目されてきたオランダで、いったいなぜ図書館は有料なのか。読者のみなさんにもぜひ本書を通じてその理由を知ってもらい、公共図書館という存在を考えるきっかけにしてもらえればと願っている。(よしだ・ゆうこ)

吉田右子[ヨシダユウコ]
著・文・その他

内容説明

えっ!公共図書館が有料?そこには深い理由があった。図書館カードさえあれば社会とつながれる―生きるための情報を獲得する場所、それがオランダ公共図書館。

目次

第1章 オランダ社会と公共図書館
第2章 オランダ公共図書館の制度
第3章 オランダ公共図書館のサービス
第4章 オランダ公共図書館の利用者と職員
第5章 オランダにおける公共図書館という空間
第6章 アムステルダムの公共図書館
第7章 オランダ公共図書館の最前線
第8章 21世紀の北部ヨーロッパ図書館
第9章 旅の終わりに

著者等紹介

吉田右子[ヨシダユウコ]
1963年、東京都生まれ。1992年、図書館情報大学大学院修士課程修了。1997年、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。図書館情報大学助手を経て、筑波大学図書館情報メディア系教授。博士(教育学)。2008年8月から2009年3月までデンマーク王立情報学アカデミー客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

marumo

23
カラフルでオシャレな図書館にため息が。オランダでは館内閲覧、施設の利用、司書の専門アドバイスまでが無料サービスの範疇とされ貸出や予約は有料。日本やアメリカの図書館サービスとは根本的に考えが違います。ただし、困窮者や移民には割引の措置もあり、子どもは無料だそうです。リビングのようなスペース作りという考え方のようで、座り心地のよさそうなソファなんか置かれててスタバみたい。日本にも最近そういうところあるけど、居心地よければ閲覧のみで図書館に居続けるのも楽しいかな。2018/11/05

軍縮地球市民shinshin

13
なかなか文章がうまい。主題は「オランダの公共図書館はなぜ有料なのか?」だが、その答えはサービスを得る対価ということだそうだ。確かに日本みたいになんでも無料だと「サービスのありがたみ」が利用者は感じなくなってしまう。ただやはり無料が良いと僕は思う。レファレンスだけは有料という国も多い中、日本はそこも無料なのだから素晴らしいと思うのは僕だけか。欧米の図書館は返却期限に遅れたらペナルティを課すのが普通で、1日ごとに延滞料金加算、悪質だと訴訟までする。そこは日本は見習ったほうが良い。オランダは分館制を取っており、2019/08/07

kum

13
オランダの図書館が一部のサービスを有料にしているという事実よりも、そのサービスのあり方に興味津々。「図書」館とは言いながら、貸出や読書だけの場所ではなく、住民にさまざまな形で「居場所」を提供する施設になっている。空間デザインが素晴らしいのはもちろん、地域課題を解決しようとする積極的な姿勢には日本の多くの図書館が学ぶべきことがたくさんあると感じる。オランダ図書館ツアー、いつか行ってみたい。(特にファン・デル・ペック図書館) 2019/06/16

鳩羽

12
会費制、有料制のサービスが多くあるオランダの図書館。その実態をレポートする本。施設利用、閲覧、司書への相談は無料だが、館外貸出や予約などは有料になり、会員のランクによりサービスのお得度が変わってくる。しかし子供は無料だし、収入によって会費の割引サービスもある。最低限の利用は無料であり、さらなるサービスを求めるならばサービスに敬意を払うという意味で有料なのも不思議ではないと思えた。BDS完備によるセルフサービスの時間など、信用度の高い社会の豊かさを感じた。豊かな人の余暇娯楽に予算を振り分けるより合理的かも2018/11/12

スプリント

10
複数の図書館愛用者としてはサービス有料は嫌ですが、特色のある図書館には憧れました。ゲームも貸出できることや図書館を新設する際は既存の建物をリノベーションするなどは日本でも検討して取り入れてもらいたいですね。2018/10/20

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