出版社内容情報
アトム通貨は、地域コミュニティを育むことや、まちの活性化を目的として、2004年4月7日に早稲田・高田馬場(新宿区)で生まれた地域通貨です。『鉄腕アトム』には、人と人とのつながりの大切さ、子どもたちや地球の未来を危惧したメッセージなど、手塚治虫の願いが込められていますが、これが私たちの行動理念となっているのです。
11期にあたる2015年2月現在、国内九つの地域に導入され、加盟店は1000店以上となっています。通貨券のデザインが人気で、年間発行額は2000万馬力(円)、配布機会はのべ100万回にのぼります。これは地域通貨として例のないケースで、一年間ののべ人数にすると、100万人がアトム通貨によって地域貢献活動に参加しているということです。アトム通貨を導入した地域では、商店街の活性化、地域コミュニティの再構築、観光振興、新しいイベントの創造、地域ブランドの開発、ほかの地域との連携などさまざまな展開に活用しています。
本来、地域通貨は必要とされる目的に合わせて使用できる、汎用性のあるツールです。見方を変えると、それぞれの地域での問題は、地域通貨によって解決できる可能性があるのです。それだけでなく、費用対効果にすぐれ、今の時代におけるまちづくりに欠かせない関係性や独自の価値観を構築できる秀逸なツールなのです。
本書は、そうした地域通貨の高いポテンシャルについて、第三者による研究書ではなく、実際にアトム通貨の活動に携わる関係者たちによる生の声を記した実践書として構成しました。実例を多数紹介し、個々の目的と結果を分かりやすく伝えることに留意しています。また、地域コミュニティの新しいあり方や、商店街の活性化、ボランティアの促進、地域ブランドについても言及しました。まちづくりの関係者や地域に興味がある学生のみなさん、ぜひアトム通貨の魅力をご堪能ください。(いしわた・まさと)
【著者紹介】
代表編者紹介 石渡正人 1961年神奈川県生まれ。広告企画会社勤務を経て、2000年、株式会社手塚プロダクション入社。2004年にアトム通貨を立ち上げ、現在、手塚プロダクションクリエイティブ部部長、アトム通貨実行委員会副会長。
内容説明
手塚治虫の願いを理念にしたアトム通貨。その成功のカギとは?!国内九つの地域を活性化に導いた魅力のすべてを紹介。
目次
第1章 人とまちの関係性を築くためのツール―THANKS MONEYアトム通貨のシステム設計(アトム通貨の概念と、ほかの地域通貨との違い(概念編)
アトム通貨のシステム解説(基本編) ほか)
第2章 地域のカラーを活かしたコミュニティ・デザイン―アトム通貨の全国展開(早稲田・高田馬場支部;川口支部 ほか)
第3章 アトム通貨のブランド・デザイン―本部広報戦略とイベント実施例(胸を張ってみんなに知ってもらおう―本部広報戦略;環境は人とまちをつなぐ大事なキーワード―エコ・アクション・ポイントモデル事業 ほか)
第4章 まちが教えてくれたこと―歴代学生事務局長奮闘記とスタッフの思い出(集まり散じて人は変われど仰ぐは同じき「理想のまち」;アトム通貨から受け継いだ想い ほか)
第5章 座談会 アトム通貨秘話―誕生から全国展開
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
毛荒れスミス