出版社内容情報
「でっかい つきだ とびこみてえ」
満月が昇るのを見て、こんなことをつぶやく五歳児がいた。本書の舞台となっている川和保育園が毎年制作している「卒園文集」には、驚くことに、こんなつぶやきがたくさん収録されている。
「こころは だれにも きこえない ちいさな こえなんだ」
なんという直観力に満ちたつぶやきだろうか。すでに、詩の領域に達している。本書では、2006年から2013年までの8年間にわたる卒園文集のなかから113の「つぶやき」を選んで、約300枚にも上る写真とともに紹介させていただいた。
横浜市都筑区川和町という街なかにある「川和保育園」、その園庭には40種類以上の樹木が茂り、小さな森を形成している。そしてその中には、驚くべきことに、手作りの重層遊具がたくさん設置されている。もちろん、一朝一夕にできたものではない。半世紀にわたる試行錯誤のうえ、父母らと協働することによってつくりだされた園庭である。
「自分で考え、自分で遊べ 子どもたち!!」というスローガンを掲げる園長は、「川和保育園の常識は、世間の非常識。世間の非常識は、川和保育園の常識」とも語っている。その「川和保育園の常識」とはいったいどのようなものなのかを、園庭で繰り広げられている数々のシーンを紹介することで伝えていきたい。そして、教育・保育関係者のみならず保護者の方々までも、コペルニクス的発想転換が行われた川和保育園の園庭にご招待したい。(みやはら・よういち 写真家)
【著者紹介】
「社会福祉法人共に生きる会 川和保育園」は横浜市都筑区川和町にある。1942年、農繁期託児所として設立。園庭に50年余にわたって木を植え続け、重層遊具を父母と共に自作するなどして、子ども自らが考え、遊べる園庭を生み出してきた。
内容説明
自分で考え、自分で遊べ子どもたち!!「川和保育園の常識は、世間の非常識」と園長が述べる「川和の常識」とは。270枚を超える写真で見る園庭でのくらし。
目次
第1章 園庭物語(空とぶ舟;ツリーハウス;木漏れ日デッキ ほか)
第2章 子どもたちの「つぶやき」(遊びきる;自然の息吹に触れる;自分を感じる ほか)
第3章 自分が子どもだったら遊びたくなる園庭を造る(園庭を充実させること、自分にはこれしかなかった;保育を考えるときの原点―子ども時代の思い出;制約があったからこそ重層的な環境が生まれた ほか)
著者等紹介
寺田信太郎[テラダシンタロウ]
1944年、横浜市都筑区川和町生まれ、川和町育ち。小学校の頃から野山で遊ぶことが好きだった経験をもとに、川和保育園の園庭を作り上げる。明治学院大学社会学部社会福祉学科中退。1971年、川和保育園園長に就任、現在に至る
宮原洋一[ミヤハラヨウイチ]
写真家。元私立桐朋学園初等部園長・校長。1970年代より街で子どもたちの遊びを撮り続け、新聞、雑誌に巻頭グラビアを連載する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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