内容説明
戦前にも存在した!席を譲らない若者、車内で化粧をする女性、子どもや老いた親を虐待する人たち。道徳心の欠如について歴史的視点からその本質に迫り、今日起きている様々な社会問題について考える。戦前の日本人の道徳はいかなる状態だったのか、あまり知られていない歴史の側面を当時の新聞や書籍、統計データなどの資料をひもときながら紹介した。
目次
序章 道徳が崩壊した戦後の日本
第1章 駅や車内は傍若無人の見本市
第2章 公共の秩序を乱す人々
第3章 誇りなき職業人たちの犯罪
第4章 繰り返されてきた児童虐待
第5章 すでに失われていた敬老の美風
第6章 甘かったしつけと道徳教育
終章 道徳の崩壊はいつはじまったのか?
著者等紹介
大倉幸宏[オオクラユキヒロ]
1972年、愛知県生まれ。新聞社、広告制作会社勤務等を経てフリーランスのコピーライターに。広告媒体を中心に、幅広い分野で執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅわ
63
【図書館】「昔は良かった」となげく年配者は多いけど…じゃ、古き良き昔は本当のトコロどうだった?という疑問に答える一冊。戦前の日本を新聞記事などから客観的に検証。道路や公園にゴミを捨てていく人、車内で化粧する女性、子供達のやり過ぎなイタズラ、商売道徳の無い偽造、子どもを虐待…平然と殺す親、老いた親を虐待する子ども…淡々と提示されるデータはかなり衝撃的。決して昔が悪い!とか、今が悪い!という比較ではなく、大切なのは今の悪いところをどう良くしてゆくか?なんだなぁ~と目から鱗な気分でした。2014/03/19
美登利
47
「昔はよかった」実際直接聞いたことは無いかもしれません。テレビや新聞で流れてるのを聞いたことぐらい。親たちは戦争を経験してるし、良い思い出は話さなかったです。この本に書かれている、その当時(戦前や、明治維新後)の新聞での報道をみる限り、日本人は今の方がマナーもモラルもあるように感じます。悲惨な事件、公共のマナーに反すること、昔の方が酷いように思えてなりません。それを外国人の方々に批判され、恥ずかしさを覚えます。昔が良かったのは、自然環境が人間の利益の為に破壊されてなかったことぐらいではないかと感じました。2014/02/01
tama
36
図書館本 「戦後、道徳心が失われている」は「昔から日本人はウチにしか道徳が働かない」だけで悪くなってはいない、とデータで示した本。児童・老人虐待も然り。核家族も大正から既に全体の40%!。核家族化が進んだのが遠因というのも理由になりにくい。ずうっと道徳心が低い状態は(若干ずつは改善されて)継続中。教育勅語を発布しようが、礼法要綱とかを教育資料として発表しようがほぼ変化なし。法規制やサブシステムでやるところと、教育(子供も大人も)で抑えるところと分けて考えないと無理なのかも。修身教育に改善を期待って?2015/09/19
も
31
昔はよかったと言うけれどそうでもないよ、今とそんなに変わらないよっていう内容と思いきや想像を越えた酷さに唖然…。感覚だけで述べているのではなく、当時の新聞記事など多数の資料を見ることができて興味深かった。2015/01/08
バトルランナ-
30
題名に騙されないで済んだことに安堵。年長者にモラルが結構無いことを仕事柄感じていたので納得出来ました。ありがとー。5点満点で4.4点。2016/02/08