出版社内容情報
2012全国農業コンクール(毎日新聞社主催)グランプリ受賞! 島根の小村に展開する共同農場の実践に地域活性化の極意を学ぶ。
高校を卒業してすぐの18歳のとき、縁もゆかりもなく、まったく知人もいない島根県の弥栄村(現・浜田市弥栄町)に広島県から入村し、仲間とともに開墾をはじめた佐藤隆。「Iターン」という言葉がなかった時代に「Iターン」を成し遂げた人物である。本書は、この佐藤が経営する「有限会社やさか共同農場」を主人公として、浜田市弥栄町で行われている有機農業の様子や、それに基づく生活風景を紹介するものである。現在、35人もの従業員を抱える「やさか共同農場」の発展が、地域の農業発展に貢献しただけでなく、「人づくり」や「モノづくり」、そして「移住の促進」など地域の活性化にも大きな影響を与えた。言うまでもなく、それを支えてくれたのが町内の農業者や消費者、流通業者、そして行政機関である。それぞれとの関係などを、本書では写真などともに臨場感豊かに紹介していきたい。また、農業を職業として選択した多くの若者が、やさか共同農場での研修や体験を通して将来に希望をもち、自営就農や雇用就農している現状も紹介していく。読まれた読者は、農業経営体の発展や地域の活性化においては、地域との「協働」がいかに重要であるかを知ることになろう。何故なら、「協働」のあり方が、言葉の説明だけではなくこれほどリアルに描かれているものはないからである。現在、標高550メートルの弥栄町三里笹目原に居住しているのは佐藤夫婦のみである。山深いこの地で、40年にわたって行われてきた農業活動の物語、長引く不況のなかで働いている都会の人達にはどのように映るのであろうか。「農業へのこだわり」と「仕事は都会にだけあるのではない」ということを、本書を通して訴えていきたい。
目次
第1章 やさか共同農場のある所
第2章 やさか共同農場の40年―時代の変化にあわせて経営を発展させる
第3章 やさか共同農場の転機を支えた仙人たち
第4章 やさか共同農場と協働し、支える仲間たち
第5章 共同農場(共同体)の発展が地域に及ぼした影響
第6章 就農・田舎暮らしの仕方
第7章 これからの共同農場
著者等紹介
佐藤隆[サトウタカシ]
1954年、広島県尾道市に生まれる。1973年、広島県立尾道北高等学校を卒業後、旧弥栄村で「過疎の村を再生」を目指して農業に取り組んでいた弥栄乃郷共同体に参画する。1989年に「有限会社やさか共同農場」として法人化、代表取締役を務める。現在は約30ヘクタールの農地で有機栽培による米や大豆、大麦、野菜の栽培のほか原木栽培椎茸生産や手造り味噌、トマトジュース、甘酒など農産加工品の製造販売を手掛ける
桃木信博[モモノキノブヒロ]
1976年、宇都宮大学農学部畜産学科を卒業、同年、島根県庁に採用される。安来農林改良普及所を皮切りに、県内各地域の事務所などに勤務し、農業改良普及事業や行政事務などを通じて産地づくりや地域づくりの支援を行う。第61回全国農業コンクールでグランプリ(農林水産大臣賞)を獲得した「やさか共同農場」をはじめ優れた農業経営体や地域営農集団を顕彰する表彰事業への調書作成の支援を行い、表彰事業への参加を通じて経営体などと農業普及のコミュニケーションの増進に努める。現在、石見地域を管轄する西部農林振興センターに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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虎ボルタ
luckyair