国境をこえた地域づくり―グローカルな絆が生まれた瞬間

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国境をこえた地域づくり―グローカルな絆が生まれた瞬間

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  • サイズ A5判/ページ数 226p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784794808974
  • NDC分類 601.1
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「究極のよそ者」である途上国の研修員と日本のまちの人々の対話と協働から紡ぎだされる、地域づくりと国際協力の新しい指針!

日本の「地域」にとって「国際協力」は、確たる目的意識か特別のコネがない限り進んで取り組むことは考えづらいものである。本書は、過疎化・高齢化によって人々が生活を続けるための機能を維持できなくなった集落が無数に存在する日本において、あえて近代化路線とは別の価値に基づいて紡ぎだされた「国際協力と結びついた地域振興」への挑戦を報告し、地域づくりへの新たな提案を行うものである。本書で紹介される滋賀県甲良【こうら】町、山口県阿武【あぶ】町、長崎県小値賀【おぢか】町、群馬県甘楽【かんら】町は、途上国からの研修員を受け入れている。人々は研修員たちに自分たちの地域や活動について説明し、それが相手の役に立つことを実感することで、自分たちの地域に自信を持てるようになった。「究極のよそ者」である研修員たちから想像もつかないような感想をもらうことで新たな視点を学んだり、逆に視点は違っても大事にしたい根元の価値が同じであることを確認したりすることも多い。こうした体験は、住民自身が地域の資源を再認識する上で大きな動機付けともなっている。国際協力は、必ずしもそれが行われる地域の経済や産業を直接かつ即効的に活性化しうるものではない。むしろ長期的な地域振興策として、つまり住民自身の手で地元を活性化するための「地域の力量」を向上させる点が重要であろう。途上国と日本の地方は置かれた基礎的条件は違うが、グローバルな構造の中における「辺境」という意味で共通しており、「外発的なものに疲弊した当事者」どうしだからこそ分かち合える価値がある。両者が手を携えることで、価値の創造や再発見を重ね、互いの「地域の力量」を上げることができるはずだ。現代においては、地域を単位とした「内発的発展」をめざしつつ、グローバリゼーションの大きな流れを視野に入れることが不可避の課題である。つまり、自分たちの地域で当たり前の暮らしを続けていくためにグローバルにつながること、地球規模で考えながら地域で活動を重ねること(Think Locally, Act Globally)が求められている。本書で紹介される「グローカルな絆」―地域を軸とした途上国との新しい国際協力・国際協働のあり方―は、まさにその生きた実例といえるだろう。本書を通じて、地域づくりと国際協力の新しい指針を提示できればと思う。(編者 西川 芳昭)

目次

序章 「地域」と「国際協力」を考える切り口
第1章 国際協力が育む「絆」と「共生」―せせらぎ遊園のまちづくり滋賀県甲良町
第2章 島と島を結ぶ地域づくり―人材育成を軸とした長崎県小値賀町
第3章 地域は「ソト」とのつながりをどのように活かせるのか―山口県阿武町の選択
第4章 甘楽富岡から日本と世界を元気に―農家の誇りに触れたとき
第5章 地域づくりの現場は国境をこえる―コミュニティ・ファシリテーションの展開を目指して
第6章 国境をこえた地域づくりにおける「媒体者」の役割

著者等紹介

西川芳昭[ニシカワヨシアキ]
1960年、奈良県生まれ。1984年京都大学農学部農林生物学科卒業、1990年バーミンガム大学公共政策研究科修了、博士(農学)。国際協力事業団(現国際協力機構)・農林水産省等を経て、2008年より名古屋大学大学院国際開発研究科教授(農村・地域開発プログラム)。専門は農業における生物多様性管理・農村コミュニティ開発。福岡のNGOコミュニティ・コミュニケーションサポートセンターに参画し、国際協力と地域振興を繋ぐ活動をしている

木全洋一郎[キマタヨウイチロウ]
1971年、大阪府生まれ。1997年3月横浜国立大学大学院国際経済法学研究科修了。同年4月国際協力事業団(JICA)に入団。2011年10月より同タンザニア事務所に勤務。途上国のガバナンス・地方行政を専門としつつ、日本の地域づくりと結び付けた協力を模索中。2007年10月より国際開発学会「日本の地域振興と国際協力」研究部会主査を3年間務める

辰己佳寿子[タツミカズコ]
1970年、広島県生まれ。2003年広島大学大学院国際協力研究科修了、博士(学術)。同年、山口大学エクステンションセンター講師、2006年より准教授。専門は、村落社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

8
ODAの訪日研修が日本の地方にどのような影響を与えるか考察する。招聘される途上国の行政官は、地方を訪れて町づくりの先進事例を見たり、調査手法を学んだりするが、受け入れる自治体にも様々メリットがある。例えば、自分の村や町の持つ地域資源の意義を再確認や、第三者視点から街の課題を指摘してもらう等である。外国人を見たことのない地方の人に研修員の受け入れに協力してもらうのは一筋縄ではないが、本書のような事例を知ってもらうのことで、ODAを町おこしにうまく活用するという視点を持ってもらえると嬉しい。2022/08/04

壱萬弐仟縁

2
まえがきの、「地域づくりにおいて重要なことは、自分たちの住む地域の未来を自分たちで決めることができるという自律を獲得することである」(6ページ)の定義は、全面的に同意したい。自立には自律が必要だからだ。地域を研究してきた人たちの経験則からは、「日本と海外の農村地域が直接つながることが、自らの地域を見直す活動に直結する」(30ページ)ということ。国際協力から、国際協働へ(39ページ)の時代。国家公務員の報酬よりも1.3倍を貰い、場所代の高いところへ事務所を移転したJICAではあるが、JICAの意義もある。2012/10/17

ミロ

1
私の卒論のテーマは、宮城県の事例をもとに国際協力がいかに地域おこしにつながっていくのかを考察することなんですが、この本はそのまま全部引用したいくらいドンピシャでした笑

Ishida Satoshi

1
Cross-border Development of the Region 読了。本書は過疎化や少子化によって人々が生活機能を維持するのが難しくなりつつある日本において、あえて近代的開発に傾斜せず、別の価値を顕示して諸外国への国際協力や外国人研修受け入れを通じた地域振興を継続している地域が報告されています。グローバルではなく「グローカル」をキーワードに、地域と世界が繋がっている町の姿が浮かび上がってきます。滋賀県甲良町、長崎県小値賀島、群馬県甘楽町、山口県阿武町の事例が掲載。「究極のヨソ者」である途上国

YN

0
ソトのもたらし得るインパクトについて。 外国人受入について議論が進むなかで改めて考える。たた、風の人としての関わり方と、潜在的な土の人としての関わり方は恐らく違う。そこでどうありうるか。2021/01/23

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