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小さな講演会
恋愛について

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  • サイズ B6判/ページ数 108p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784794808011
  • NDC分類 K152
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「愛するってどういうこと?」子どもたちの真剣な問いに、現代を代表する哲学者が真摯に向き合う。

フランスのパリ近郊にある劇場では、10歳からの子どもたちを対象とする「小さな講演会」が定期的に開かれている。そこでは毎回、作家や学者、ジャーナリストや職人などその道のプロフェッショナルが登壇し、彼らの知識や情熱や問題意識が子どもたちに伝えられる。世代の異なる者同士が出会い真剣に言葉を交わし合うこの啓蒙の試みは反響を呼び、講演はシリーズで出版され、現役の子どもだけでなく、かつて子どもだった大人の読者にも好評を博している。
 6年目に入ったこの講演会にリピーターとして登板しているのが、現代フランス哲学者の最高峰の一人、ジャン=リュック・ナンシーである。その大哲学者が実に気さくにユーモアを交えながら「神」「正義」「美」といったテーマで語る各講演はいずれも魅力的なのだが、なかでも今回訳出した「恋愛について」の講演を聞きに来た子どもたちは、哲学者は一体恋愛の何を知っているのだろう、と興味津々であった。
 子どもたちに対しナンシーは、いわゆる男女交際のモラルを説くわけでも、具体的なアドバイスをするわけでもない。彼はただ、孫のような年頃の聴衆を前に、誰かを「狂おしいほど愛する」とはどういうことなのかを真摯に語り、そして子どもたちが投げかける驚くほど率直な疑問にきちんと向かい合うのである。
 どんなに誰かを愛しても、それが他者である以上、相手を完全に知ることはできない。愛とは絶対的他者との唯一無二の関係に身を投じるという決してわがものにはならない経験であり、また手の届かないはずの無限が触れてくる場でもある。だからこそナンシーにとって哲学は、「知への愛」であると同時になにより「愛を求める」営みなのだ。(メランベルジェ まき 上智大学教員)

内容説明

永遠の愛ってありうると思いますか。10歳から大人まで、異なる世代どうしが出会う画期的な哲学読本。人生や世界についての問題をきちんと言葉で分かち合うために…。

著者等紹介

ナンシー,ジャン=リュック[ナンシー,ジャンリュック][Nancy,Jean‐Luc]
1940年生まれ。フランスの哲学者。ストラスブール・マルク・ブロック大学名誉教授。共同性と単独性の分割/共有の問題、キリスト教の脱構築、身体論、芸術論など、幅広い分野で独自の思想を繰り広げている

メランベルジェ眞紀[メランベルジェマキ]
上智大学講師。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、東京都立大学大学院博士課程満期退学、パリ第一大学DEA取得(哲学史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ecriture

8
較べる対象を持たず何人も意味を与えられぬ「愛」。「あなたをとても愛している」、「本当に愛している」などと言う場合、それは愛ではない。「chéri(愛しい人)」も「charity(慈善)」も「caress(愛撫)」も値段が高いものの謂いであり、高い価値を与え、愛ともなれば絶対的な価値を与えることを意味する。「永遠の愛」とは時間の外にある愛であり、長く続く愛のことではない。永遠の愛を誓いますかという問いに対して、愛がいつの瞬間にも崩れ去るかもしれないという不安を条件に、その度ごとに「ウィ」は宣言される。2013/11/02

3
わたしはきみを愛してる。きみはきみであり、きみであることが大切で、きみのもつ特徴とか性格とかそういうのは全部放り投げて、きみじゃなきゃいやだと思う。それは紛れもなく愛なのだと、愛と言えるのだと少し自信がもてた。人を愛することは難しいけれど、きみはわたしを「愛してる」と言ってくれて、わたしもきみを心から好きだと思う。愛は絶対的なものではないけど、だからこそふたりで大切に、壊れないように、思いやりを持って過ごせたらこんなにうれしいことはないだろう。2018/01/11

べっか

1
これに続けてバディウ「愛の世紀」を読むと理解が進む2018/04/09

まりな

1
ふむ。ヤングアダルト向けに置いてあったりするけど子供は読むのかな。いい本でした。2015/03/09

minato

1
うーん。率直な感想として、あまりすっきりしない。それだけ難しいお題だということかな。重要な部分は『わからない』と書かれていた。 自己愛に関して、『私自身を、他者を愛することができる者として、信頼することなんだ』と語られていた部分はもう少し咀嚼したい。2013/07/29

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