出版社内容情報
日本から遠く離れていても、意外なほど親近感が湧いてくる、どこか懐かしくなる暮らしと風土、美しい街に暮らす人々、家族、文化の魅力を清冽な筆致で描く好評ラトヴィア紀行第2弾!
●2007年5月、天皇、皇后両陛下バルト三国訪問!●
ヴィーチェ=フレイベルガ大統領からのメッセージを掲載
世界遺産の首都リーガは、美しい建築に目を奪われる石畳の街です。足元には、軒先でひなたぼっこしている猫。「クスクスクス」と声をかけると、思わせぶりに身をひるがえして歩きだしました。しっぽの動きに招かれるように後を追うと、その先に思いがけない中庭がありました。こうして迷路の先を少しずつ解いていくように、私はラトヴィアの人々と触れ合い新しい発見を重ねてきました。
ここに暮らすのは、夕暮れのおそい夏にはバルト海を泳ぎながら月夜を楽しみ、長い冬には「ピルツ」と呼ばれるラトヴィア式サウナを温泉のようにこよなく愛する人々。彼らはよく歌い、詩を書き、俳句を読み、日本語を熱心に学ぶ親日家でもあります。一九九一年に旧ソ連から独立を回復して以来、著しい変化を遂げている社会や家族関係において、猫たちは潤滑油のような存在です。
先だって、国連事務総長に立候補したラトヴィア大統領の真のねらいは、女性として、また東欧の代表としてだけではなく、小国の存在を世界に知らしめることにもあったのでしょう。大統領と国会議長というトップの座をともに女性が占めるラトヴィアでは、いたるところで女性の存在感が見逃せません。
本書には、今日のことが明日にはもう過去の記憶になってしまうという激流のなかにありながら、したたかに息づいている文化習慣と家族関係のあり方を、滞在者の視点から記述しました。日本から遠く離れていても、意外なほど親近感が湧いてくる、どこか懐かしくなる暮らしと風土。清楚な魅力のあふれる国、ラトヴィアへようこそ!(くろさわ・あゆみ)
内容説明
ネコが主役の世界遺産の街リーガ、ここで暮らす人々を清冽な筆致で描く。
目次
第1章 ようこそラトヴィアへ(電話の行方;ラトヴィアか、ラトビアか;大海原と山へのあこがれ ほか)
第2章 猫のいる風景(詩のある暮らし;イェッテさんと猫;リーガの猫たち ほか)
第3章 女の情景(ピルツはサウナではない?;一家の柱;出稼ぎ世代のドラマ)
著者等紹介
黒沢歩[クロサワアユミ]
茨城県東海村出身。1991年に大学卒業後、ソビエト崩壊後のモスクワで1年間の語学留学。再生ロシアでの生活を体験する。1992年、来日した当時のラトヴィア文化大臣ライモンズ・パウルス氏に出会い、ラトヴィアに関心をもつ。1993年、日本語教師としてラトヴィアのリーガの日本語学校へ。1994年、日本語を教える傍ら、ラトヴィア大学文学部にてラトビア文学を学び始める。1997年、ラトヴィア文学修士号取得。その後、ラトヴィア大学日本語講師となり、ラトヴィア語通訳および翻訳を始める。2000年に開設された在ラトヴィア日本国大使館勤務を経て、2006年よりラトヴィア大学現代言語学部日本語講師となり、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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