出版社内容情報
【宗教と文明/非西洋的な宗教理解への誘い】
キリスト教文明圏の単一的な宗教観を対比軸に、日本人の宗教性を全世界的なパノラマの中に位置づけた、全く新しい宗教学理論!
本書は、日本の宗教を、宗教に関する全世界的なパノラマの中に位置付けようといる点に大きな特徴がある。もっとも、そのパノラマを与えてきたのが、他ならぬ西洋キリスト教文明圏であったことが問題である。すなわち、西洋世界は、大航海時代以来、世界に向かって進出し、世界各地の宗教を自分たちの解釈の仕方で見ることになった。そこから、世界中の諸民族の宗教に関するいくつもの宗教学理論が提唱された。そのような宗教理論を日本の宗教に当てはめると日本には多宗教が混在している社会であり、ただ一つの理論で総括するのは難しい。 そこで、本書では日本に対して適用される第一の理論は西洋のアニムズム理論であると見て、それと対応する形で日本人の「自然崇拝」に注目した。その結果、「自然崇拝」が、仏教、神道等の宗旨宗派の違いを超えた、普遍的で根本的な宗教信条であるという結論に至った。日本人が自然に対して特異な感情を持っていることは、古来様々な分野で指摘されているが、本書ではそれを宗教的信条の核心に据えて、日本人の宗教を統一的にとらえ得る新しい切り口として提示している。
内容説明
ユーモアあふれる平明な筆致で宗教の本質に鋭く迫る!真の国際交流には共感的宗教理解が不可欠。キリスト教文明圏の単一的な宗教観を対比軸に、日本人の宗教性を全世界的なパノラマの中に位置づける。
目次
宗教とは何か
宗教多様性の社会、日本
世界の宗教の「発見」
歴史上の宗教の「発見」
ヨーロッパが見た他宗教とその理論
日本固有の宗教
日本人の自然崇拝
「人間中心主義の宗教」と自然崇拝
俗信、もう一つ別の種類の「人間中心的宗教」
宗教の定義は可能か
類比的共感的文明理解
共感と自己の再発見
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
Arisaku_0225
-
- 和書
- 松下耕/たおやかな詩