出版社内容情報
【高福祉高負担政策の背景と現状】前・特命全権大使がレポートする福祉大国の歴史,独自の政策と市民感覚,最新事情,そしてわが国の社会・経済が現在直面する課題への提言。
スウェーデンの特徴は、一般的には、長い歴史的経験に裏打ちされた確固とした中立政策とそれを背景とする国際舞台での強い発言力がまず挙げられる。次に、19世紀末からの着実な経済発展の成果をバックとして実現してきた高度な福祉水準と、そのコインの裏側としての高い租税や社会保障負担(国民負担)が挙げられている。本書では、後者の高福祉・高負担に焦点をあて、その歴史的背景と実現の過程、さらにはその実現を可能としてきたこの国の人々の市民感覚、社会のありようなど、本書で「スウェーデン・スペシャル」と名付けたこの国独特の姿を、著者の3年間の大使としての経験と観察に基づいて書き記したものである。
内容説明
この国の存在感は一体どこからくるのか?前・駐スウェーデン特命全権大使による最新レポート。
目次
観察の視点
高福祉社会への歩み(出発点;戦間期;戦後)
経済変動と高福祉高負担政策
高福祉高負担成熟期の内政
スウェーデン・スペシャル福祉各論
著者等紹介
藤井威[フジイタケシ]
1940年生まれ。1962年、東京大学法学部卒業後、直ちに大蔵省に入る。19年間を主計局で勤務し、国家予算編成事務に従事。1988年より3年間大蔵省主計局次長。1991年、経済企画庁官房長。1992年、大蔵省理財局長。財政投融資、国債管理、国有財産行政等の分野での事務方の責任者となる。1993年、内閣官房内閣内政審議室長。官邸にあって内政面での政策調整の事務方を務める。1996年、退官。1997年9月、駐スウェーデン特命全権大使兼ラトヴィア特命全権大使。2000年10月までストックホルム在勤。2001年3月、地域振興整備公団総裁(現職)
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