内容説明
八ッ場ダム、川辺川ダムの中止の原点―『脱ダム讃歌』の著者、武井秀夫が新たに世に贈る、珠玉の作品集。若き日の淡い恋心を紡いだ、詩情あふるる驟雨の夏の匂い。反骨の媼・好さんの話がしみじみと心を打つ。愛犬ピスと共に過ごした、黒部ダム間組扇沢診療所での「黒部夜話」は爽やかな風を呼ぶ。著者のルーツ(甲斐・武田家)をめぐる斬新な考察の武田家紀行。軽妙洒脱な身辺雑記、幅広い交遊記録、辛口の政治批評など満載の「落書拾遺集」は著者の真骨頂。イラク戦争に反対し“憲法九条は世界の宝”と、レインボウフラッグを掲げて、敢然と闘う外科医の警世の書でもある。
目次
驟雨は夏の匂い(蝙蝠;瓔珞 ほか)
好さんの話(京みぶな;かたくりの花 ほか)
黒部夜話(プロローグ;ピス登場 ほか)
武田家紀行(永昌院墓参;東光寺 ほか)
落書拾遺集(お神籤の曰く―外科医以外なら?;尾崎先生と諏訪御柱 ほか)