内容説明
昭和19年11月。華北最前線警備隊宇賀神中隊は、米式装備の新四軍に包囲され、翌早朝の斬込み玉砕を決意する―。前夜、兵士たちは夜通し語り合った。「自分が死んだら妻と幼な子はどうやって生きていくのか」「なんの恨みもない中国の民と日本の民がなぜ殺し合うのか」「貧乏に苦しみながら何のために俺の両親は子供を育てたのか」そして、兵長が重い口を開いた。「国が選んだ道。運命。我々にほかに選ぶ道はない―」死を前に兵士は何を語り合ったか。
著者等紹介
高橋長敏[タカハシナガトシ]
大正8年(1919)東京都港区赤坂田町に生まれる。衣59師団54旅団、第109大隊。衣2350部隊に所属して中国大陸を転戦
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