内容説明
「スポーツ評論」はたんなる「スポーツ解説」ではない。確たる思想・哲学に裏打ちされた評論活動こそがいま、スポーツ文化の領域で待ち望まれている。こんにちのスポーツ文化が抑圧・隠蔽したものはなにか。新しいスポーツ評論をめざす序奏(助走)の書。
目次
『食卓歓談集』―イストミア競技会の「葉冠」論議
『ユートピア』―16世紀初頭の賭けだらけの「テニス」批判
『パンセ』(瞑想録)上巻―「考える葦」の「気晴らし」論
『教養と無秩序』―ラグビー校と筋骨たくましいキリスト教徒
『女性の解放』―女性のスポーツ参加への道
『この人を見よ』―「遊戯三昧」のすすめ
『子供たちの大正時代』“田舎町の生活誌”―産業とともに変化する子どもたちの遊び
『昨日の世界』―1920年代は女性のスポーツ参加の時代
『夜と霧』“ドイツ強制収容所の体験記録”―アウシュヴィッツの運動会
『夜』―「死」と隣り合わせのランニング
『余計者の告白』上・下―スポーツ万能の共産主義者
『ことばが劈かれるとき』―自他の境界がなくなる体験
著者等紹介
稲垣正浩[イナガキマサヒロ]
日本体育大学大学院教授。1938年生まれ。愛知県出身。スポーツ史専攻。東京教育大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。日本体育学会理事。前・スポーツ史学会会長
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